2012年6月30日土曜日

■「婚活」もダイナミックな中国…4万人の集団お見合い 最低条件は“不動産”


「婚活」もダイナミックな中国…4万人の集団お見合い 最低条件は“不動産”
http://www.sankeibiz.jp/macro/news/120630/mcb1206301831019-n1.htm
2012.6.30 18:30

 生涯の伴侶を得る「婚活」も中国ではダイナミックだ。上海万博跡地で先月開かれた「上海市結婚恋愛博覧会」という名のお見合い大会には、2日間の会期に、主催者の発表で実に延べ4万人もが参加。このうち1万3000人以上は適齢期の男女の両親や祖父母など親族だったという。業界団体である上海市婚姻紹介機構管理組合などが、昨年11月に続いて主催した。前回は1万人の参加で2000組のカップルが誕生したといい、今回も相当数が理想のお相手を見つけたようだ。

子供の伴侶を探しに

 会場で若い男性を10人近い年配の男女が囲んでいた。「あんた収入は? 車や不動産は持っているの?」。矢継ぎ早に聞く質問はほとんどがカネがらみ。27歳の娘がいるという姓を李と名乗った60代の男性は、「娘は海外留学から戻ったばかり。とにかく中国で経済的に豊かな男性に嫁がせ、もう一度、海外に行かせたい」と目を輝かせた。

 この博覧会に伴侶を求めて参加した約2万7000人のうち、20~35歳は約1万6000人、36~45歳も1万1000人いた。主催した管理組合の関係者は、博覧会の熱気ぶりを、「上海など都市部では適齢期の男女は仕事が忙しい年代でもあり、結婚相手を探す時間的余裕がないから」と説明した。会場内には、結婚対象として求める年代や勤務業界別のブースも。離婚経験者ブースも人だかりになった。

 公務員の娘の相手を探しに来た姓を張と名乗った60歳の女性は、「娘が30歳になったときから焦りの気持ちが強い。すでに35歳だ。問題は一人っ子政策だと思う。男らしい男がいなくなり、みな利己的になった」と嘆いた。娘も一人っ子だが、娘への不満は「結婚したがらないことだけ」という。この母親も男性側が、「不動産を持っていることが最低条件」と話した。

人気の女性職業は教師

 地元紙によると、中国の結婚紹介サイト百合網が上海の男女約1000人を対象にこのほど実施したインターネット調査で、女性の55.2%が付き合う男性の条件として1万元(約12万5000円)以上の月収を挙げた。上海でも大卒初任給は3000~4000元の水準にある中で、1万元以上は外資系企業か国有企業大手で中間管理職クラスの収入だ。

 さらに結婚の条件として「持ち家」を挙げた女性が68.4%に上った。上海において不動産を持たない男性は、まず、結婚相手とは考えてもらえない厳しい現実が浮き彫りになった。

 女性からみて結婚相手の理想の職業は企業幹部34.3%、公務員31.0%、それにエンジニア23.3%が上位に並んだ。一方、男性側が理想とする女性の職業として教師が36.4%で断トツ人気。公務員22.9%、医療従事者の12.8%が続く。

資産家限定の大会も

 人柄や将来性、情熱などよりも経済的条件が重視される風潮は、今月3日に四川省成都で開かれた「資産家とのお見合い大会」でも浮き彫りに。資産が1億元(約12億5000万円)以上の資産家男性が会員の「中国企業家独身倶楽部」が主催した。

 会員男性のほとんどが企業オーナーで年会費は20万元(約250万円)という実に不思議な組織で、この大会には未婚女性が殺到。書類審査で残った5000人が参加した。四川省や隣接する重慶市は色白で小柄な美女の多い地域として知られる。応募女性の平均年齢は27歳。最年少は19歳で、最年長は41歳。どんなカップルが生まれたのか、詳細は明らかにされていない。

 分かりやすいといえば分かりやすい中国女性の結婚観。「人生はお金が全てではない」などと外部が諭そうものなら、すぐに追い出されそうな勢いだ。



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