2013年1月24日木曜日

■アベノミクスは保護主義、米自動車業界が強く反発


アベノミクスは保護主義、米自動車業界が強く反発
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2013/01/23/2013012300531.html?ent_rank_news
2013/01/23 09:29

 日本の安倍新政権の「円安宣言」で世界的に為替戦争が広がるのではないかという懸念が高まっている。特に自動車業界から為替問題について最も激しい反応が出ていることから、為替戦争の実体は「自動車戦争」ともいわれる。

 各国政府が日本発の為替戦争に強硬な立場を示す背景にも、自動車産業の利害があるとみられている。自動車が為替変動に最も敏感な産業であるほか、各国経済の回復にも最も重要な産業といえるからだ。

 無期限の金融緩和を骨子とする「アベノミクス」を掲げ、世界的な為替戦争を起こそうとしている安倍首相は「輸出企業の収益を維持するためには、円が(1ドル)90円にならなければならない」と公言している。それに最も強く反発しているのは、日本の自動車業界とライバル関係にある米国の自動車業界とドイツの政治指導者だった。


為替戦争の裏に自動車戦争

 ゼネラルモーターズ(GM)、フォード、クライスラーという米国自動車ビッグスリーの利害関係を代弁するシンクタンク、自動車政策会議(AAPC)のブラント委員長は最近「政権を奪還した自民党は貿易相手国の犠牲という代償を払い、経済成長を促進するために円安政策を講じ、貿易(への影響)を無視している」とした上で「近隣窮乏化政策(貿易相手国に負担を押し付けることで自国の経済回復を図る政策)であり、われわれとしては受け入れることができず、オバマ政権は円安を絶対に容認できないという警告メッセージを送るべきだ」と主張した。米自動車業界がこうした強硬なメッセージを送るのは、円安で価格競争力を高めた日本の自動車メーカーに米国市場を侵食されることを懸念しているためだ。

 昨年、米国ビッグスリーの米国市場でのシェアは44.8%で前年を2.3ポイント下回ったのに対し、トヨタ、ホンダ、日産という日本のビッグスリーによるシェアは32.1%へと2ポイント上昇した。特にトヨタは昨年、米国で前年比26.6%増の208万台を売り上げた。ホンダも24%増の142万台だった。昨年の米国での自動車販売増加分に占める日系メーカーの割合は48%に達した。

 フォルクスワーゲン、BMWなど欧州の有力自動車メーカーが本社を置くドイツのショイブレ財務相は17日「日本の新政権の政策を非常に懸念している」と述べ、円安政策を批判した。

 サムスン先物の為替先物ブローカー、ユン・チャンホ氏は「現在の為替戦争は実際には自動車戦争だと言っても構わない。欧米、日本という自動車産業の雄が産業を再生するために戦争に突入したといえる」と述べた。


自動車産業保護主義が再燃か

 世界の主要国は2008年の世界的な金融危機以降、ほかの産業よりも自動車産業の再生に力を集中させている。

 米国、ドイツ、フランス、日本など自動車大国は当時、自動車メーカーに対する救済資金直接支援、税金減免、補助金支給などの政策を総動員し、自動車産業の再生を図った。米国はGMに134億ドル(約1兆1900億円)、クライスラーに40億ドル(約3550億円)の直接支援を行った。ドイツは新車購入者の自動車税を免除し、需要を下支えした。日本も新車購入者に補助金を支給した。韓国も古い車を新車に乗り換えた場合、税金を減額する政策を取った。

 主要国が相次いで自動車産業の支援に乗り出したのは、自動車1台に2万個もの部品が使われているため、関連する中小企業が多く、雇用創出効果が大きいからだ。韓国の場合、自動車産業は経済活動人口の約7%、事業所の就業者数全体の約10%に相当する160万人を直接、間接的に雇用している。

 大宇証券リサーチセンター長のホン・ソングク氏は「世界的な金融危機以降、為替戦争は自国の自動車産業再生といった保護主義と結び付き、『他人の損害が自分たちの利益だ』と考えるようになってきている」と指摘した。

 自動車産業はほかの産業に比べ、為替に敏感な側面もある。電機・電子業種は各国と生産分業を行うケースが多いため、為替の影響は比較的受けにくい。

 世界的な金融危機以降、自動車業界は為替戦争の犠牲にならないため、海外生産を増やしている。韓国銀行によると、韓国の自動車産業の海外生産比率は08年の28%から昨年は44%に上昇した。日本のトヨタも07年には50%だったが、昨年は60%に達した。昨年のホンダ、日産の海外生産比率は70%を超える。




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