2013年1月21日月曜日

■【コラム】中国で苦戦する韓国の大企業


【コラム】中国で苦戦する韓国の大企業
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2013/01/19 12:00 朝鮮日報

 2000年代初め、韓国の衣類メーカー、イーランドは中国市場で苦労した。店舗数が急速に増え、服の売れ行きは好調だったが、中・低価格のブランドだったために収益性が上がらなかった。そうした状況を突破するため、イーランドが打ち出した戦略がデパートへの出店だった。上海など大都市の有名デパートにイーランドの売り場ができ始めた。最初は高額の賃料が負担だったが、デパートへの出店を通じ、高級ブランドとしてのイメージを定着させることができた。イーランドが昨年、6000カ所近い中国国内の店舗で2兆ウォン(約1700億円)の売り上げを記録するほど成功した背景には、思い切った路線転換があった。

 もう一つの中国進出成功事例として挙げられるパリバゲットも似たような経験を持つ。パリバゲットは2004年に中国に進出し、上海で外国人が多く住む古北地区に1号店を出した。高級イメージを植え付けるのが狙いだった。多くの中国人は今でもパリバゲットを欧州の有名ブランドだと思っている。

 昨年は中国市場に進出した韓国企業にとっては悲惨な1年だった。サムスンと現代自動車を除く大半の大企業が不振を免れなかった。主力製品の販売不振で駐在員を大量に撤収した企業、数年にわたり適した投資先が見つからずリストラに入った企業もある。韓国の大企業の不振は中国の景気低迷が一因だ。しかし、根本的にはスピード経営に失敗したことが最大の原因だ。中国市場では中国国内企業だけでなく、世界各国の名だたる企業が激しい競争を繰り広げている。あれこれ検討しようとして時期を逃すと競争から脱落してしまう。

 韓国の大企業のオーナー経営体制は迅速な意思決定が長所と言える。サムスン、LGなどが日本の電子メーカーを追い越した際にもそれが生かされた。しかし、中国市場ではむしろ弱点になっている。オーナーは中国市場をよく理解しておらず、決断をためらい、現地の最高経営責任者(CEO)は責任追及を心配し、終始消極的な経営を行っている。「5トントラック2台分の報告書を書いてもまともに投資決定が下されなかった」というある大企業関係者の言葉が状況を物語っている。

 中国企業の急速な成長も、韓国の大企業には圧力となっている。携帯電話であれ、家電製品であれ、普及型の製品では中国企業では勝てない。中国企業が簡単にはまねができない「カテゴリーキラー」で勝負しなければならない。

 現地化を通じ中国市場に対する理解度を高めるのではなく、人脈に頼って問題を解決しようとする傾向も韓国の大企業が抱える経営上の問題点として挙げられる。最近会った長江商学院の項兵院長は「人脈だけで何でも解決できると考えることが、外国企業が中国で犯す最大のミスだ」と述べた。イーランドやパリバゲットは体当たりで中国市場の呼吸を学び、中国企業の追随を許さない競争力を備えたことが成功の秘訣(ひけつ)だった。韓国の大企業はそうした中堅企業から学ぶべき点がある。




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