2013年2月8日金曜日

■笹子全面復旧したが、観光業の行く先は?


笹子全面復旧したが、観光業の行く先は?
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/nagano/news/20130207-OYT8T01696.htm
(2013年2月8日  読売新聞)

 山梨県の中央道笹子トンネルは8日、天井板崩落事故から約2か月ぶりに全面開通する。(柳沼晃太朗)

 県内の観光業界は、事故で減った首都圏からの利用客の呼び込みに苦慮してきただけに、「やっと元通りになる」と歓迎している。とはいえ、トンネルの安全性に不安を感じる観光客を取り戻す方策は見えていない。


 ◆客足戻るか

 事故後の昨年12月27日~1月5日に県内主要スキー場で行った県の調査では、笹子トンネル経由で入る観光客が多い中央道諏訪インターチェンジ(IC)や長野道松本IC近くのスキー場で利用数が減っていることが確かめられた。

 「首都圏ナンバーの車の数は明らかに半減した」。利用者数が前年同期比で約1割減った松本市のMt・乗鞍スノーリゾート支配人代行の三好一展さん(45)は話す。事故により、首都圏のスキー客が群馬県側に流れているのではと感じる。

 同スキー場は今季、積雪に恵まれ、約20年ぶりに11月中にオープン。好調な入り込みを期待したが、客足は鈍り、周辺の宿泊施設約100軒でも宿泊キャンセルが相次いだという。

 ◆「安全性に不安」

 全面復旧で果たして「事故前」の入り込みが期待できるのか。観光業界では、安全性への不安が遠のくまでは難しいとみる。

 茅野市の白樺湖畔に立つホテル晴明荘の常務、両角良久さん(54)は「トンネルの安全性への不安を懸念する声が宿泊客から聞こえてくる」と言う。せめて土日祝日の高速道路の通行料金を軽減してほしいと考えている。こうした声を受け、県や県観光協会、県旅館ホテル組合会などはこれまでに、中日本高速道路や国交省に対し、トンネル走行時の不安払拭に努めるほか、通行料金の軽減措置などを求める要請書を提出した。

 県観光企画課は「事故の影響を払拭するためにも、首都圏へのPRに最大限力を入れたい」としている。



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