2011年11月16日水曜日

■【麻友美の中国事情】中国に広まった「おもてなし」=資生堂の巻


【麻友美の中国事情】中国に広まった「おもてなし」=資生堂の巻(1)
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2011&d=0806&f=column_0806_004.shtml
 2011/08/06(土) 10:21 サーチナ

 中国の「今」を知りたい。タレントの麻友美さんが、中国の「今」について、良く知っている方々を訪ねて、いろいろと教えていただきます。もっともわかりやすい最新中国経済事情です。

 資生堂 <4911> は今年、中国に進出して30周年を迎えました。資生堂の商品が中国に初めて登場したのは1981年。中国で開放政策が本格的に動き始めていた頃に、中国の高級ホテルの代名詞ともいえる北京飯店の売店で販売されたのが始まりだそうです。現在では、中国専用ブランド「AUPRES(オプレ)」「URARA(ウララ)」「DQ」などを展開し、とりわけ「オプレ」は中国の「国民ブランド」といわれるほどに、中国の方々に親しまれるブランドになっているといいます。資生堂中国事業部の事業管理部次長の太田正人さんに、中国の化粧品市場について教えていただきました。

――中国と日本の化粧品の流行には違いがありますか?

 5-6年くらい前までは多少差があったと思いますが、現在ではほとんど差がなくなってきています。それだけ、中国には情報がたくさん入ってきています。また、ここ数年で、中国でも化粧に対する意識が非常に高くなってきているので、日本での化粧品や服装などのファッション情報もリアルタイムで入っています。

――以前は、違ったのですか?

 ちょうど今年は資生堂が中国に入って30年目ですが、1981年の時代には、大都市であった北京や上海でも化粧については、あまり意識されていなかったと思います。たとえば、メーキャップでは口紅をつけるだけとか、スキンケアでもクリームを塗るだけというのが一般的でした。北京は湿度が2%になることがあるほどに乾燥するのですが、それでも肌のお手入れというとクリームをつけるだけというシンプルな化粧文化しかなかったのが30年前のことです。

 それから、だんだん開放政策が進み、外資の商品や文化がどんどん中国に入ってきて化粧に対する意識も徐々に変わってきました。そして、2~3年くらい前からは、日本と変わらない状態になっていると感じます。ただ、中国は広いので、都市部では日本と同じくらいですが、農村部では、それほどではないといえるでしょう。逆に、上海の目抜き通りでは、日本よりもかっこ良いファッションや化粧をした女性も見かけます。

――へぇ、そうなんですか? ところで、日本ではたくさんの化粧品のCMが流れていますが、中国でもたくさんのCMが流れているのですか?

 化粧品の各メーカーは、こぞってテレビCMを流しています。中国の方々はテレビから影響を受ける度合いが高いようです。テレビで宣伝している商品については、「良いもの」「メジャーなもの」「安心・安全だ」というポジティブなイメージが醸成されるという印象を持っています。

 ただ、中国は国土が広いので、全土にテレビCMを流そうとするとかなり費用がかかります。日本よりも中国の貨幣価値は割安なのですが、必要になる媒体費用は日本と同じレベルになります。

 テレビCMを流しているメーカーには「大きなメーカーだ」という憧れ感、安心感をお客さまがお持ちになるので、宣伝のための予算配分を戦略的に組んでいます。このあたりの考え方は、マーケティング・ミックスなどと呼ばれているもので、中国においても日本と同じように考えて商品宣伝をしています。

 ただし、店頭でしっかりとカウンセリングをしながら、商品の魅力を正しく伝えられるような活動が最も重要であると考えています。そうすることによって、資生堂ブランドのイメージアップにもつながっていると思います。

――以前、渋谷で資生堂さんのコーナーに行ったときに、丁寧にカウンセリングしていただいて、いろいろとわからないことを教えてくださったので、安心して使えるようになりました。
 お客さまの肌は一人ひとり違うので、ご自身に合った商品をおすすめするということが、資生堂で言っている「おもてなし」ということにもつながります。中国でもこの「おもてなし」はとても大事です。

 以前、中国では日本ほどの「サービス」が求められていませんでした。そういう中で、「おもてなし」をともなったカウンセリングをするということが、中国では新しい価値として目立った動きになりました。「オプレ」は中国のデパートでしか売っていない専用ブランドですが、「お客さまの肌から入るコンサルテーション」という切り口を追求して中国国内で支持を得られるブランドとして育てることが出来ました。

 この「オプレ」を発売した当時、中国でカウンセリングを伴った販売をしているブランドはありませんでした。そのような中で、「オプレ」はお客さまの肌を見ながら、「おもてなし」の心でカウンセリングをしながら、その方にあった商品をおすすめするということを地道にやってきました。それが今、「日本のメーカーが作った中国の国民ブランド」と認識していただけるようなブランドにまで育ったと思っています。

――日本では、テレビCMなどで女優やタレントさんが化粧品を使って、それを女の子がまねをするようなところから流行ができたりしますが、中国でも同じようなことがありますか?

 憧れのイメージはあるので、それぞれコアになるターゲット層があこがれるようなタレントさんを使ってコマーシャルしています。たとえば、「オプレ」は、スン・リーさんという女優さんをイメージ・キャラクターに起用しています。実は今、SMAPの香取慎吾さんとスン・リーさんが二人で「オプレ」のコマーシャルに出ていただいています。

 SMAPは今年、中国に本格的に進出していて、「世界にひとつだけの花」の中国語バージョンの歌を歌っているのですが、その曲をオプレの宣伝に使っています。そういうタイアップも展開しているのです。



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