2011年11月22日火曜日

■赤の広場で 「観光振興」の意味


赤の広場で 「観光振興」の意味
http://sankei.jp.msn.com/world/news/111122/erp11112202540002-n1.htm
2011.11.22 02:54 [外信コラム]  毎日Web

 ロシアの地方各地を訪れるたびに、必ず耳にするのが「観光で地域振興をしたい」というお決まりのせりふである。

 「シベリアの真珠」ともたたえられる世界遺産、バイカル湖のほとりにある小都市、バイカリスクもそのひとつだ。国の「観光型経済特区」にも指定されているだけに期待していたのだが、見事に裏切られた。

 湖畔の製紙工場を一般路上から写真撮影していたときのことだ。工場の警備隊がすっ飛んできて私を拘束し、警察に連行した。いわく「工場で製造しているセルロースは軍用機製造や宇宙分野で使われており、撮影は禁じられている」。

 私は工場施設に立ち入ったわけでもなく、撮影禁止などと書いた看板類もなかった。にもかかわらず、「軍用施設撮影」の疑いで2時間半も拘束され、取り調べを受けるのだ。

 そこから空港のある都市までは約170キロ。ホテルを通じてタクシーを手配したところ、予約時刻の20分も前に女従業員が部屋に怒鳴り込んできて、「車はもう来ている、早くしろ」と言う。予約時刻通りに行くと、「車は(別の発注で)もう去った。街道に出て自分で探せ」である。

 零下20度以下の雪深い街道を私は重い荷物をひきずって歩き、ようやく乗り合いタクシーに拾われて凍死を免れた。



0 件のコメント:

コメントを投稿