2011年12月11日日曜日

■宿泊特化ホテル 那覇市内で新規開業相次ぐ


宿泊特化ホテル 那覇市内で新規開業相次ぐ
http://www.okinawatimes.co.jp/article/2011-12-08_27042/
2011年12月8日 11時34分

 那覇市内で宿泊特化型ホテルの新規開業が相次ぎ、ホテル間の低価格競争に拍車が掛かっている。観光情報サイトを運営するパムによると、昨年度から4施設が開業し、客室数は約1000室増加した。来年の新規開業もあり、客室数はさらに増える見込み。新規ホテルは、値ごろ感を前面に打ち出すこれまでの宿泊特化型ホテルとは異なり高級感も兼ね備えているため、低価格競争は中小ホテルだけでなくシティーホテルにも波及しているようだ。

 新規ホテルの開業計画が持ち上がったのは、観光の先行きに期待感のあった2009年のリーマン・ショック以前。りゅうぎん総合研究所によると、リーマン・ショック以後にリゾートホテルの開業計画が取りやめになるケースはあったが、初期投資が比較的安い宿泊特化型ホテルの開業計画は続行した背景があるという。

 新規開業したのは、ダイワロイネットホテル県庁前・那覇国際通り・那覇おもろまちと西鉄リゾートイン那覇(久米)の計4施設。来春にはリーガロイヤルグラン沖縄(旭町)が加わる。共通するのは、ビジネス客をターゲットにしたこれまでの宿泊特化型とは異なり、レジャー客を意識して高級感を打ち出している点だ。沖縄振興開発金融公庫調査・政策評価課の玉那覇通男課長は「ハイエンドの施設も出てきているので、価格帯が重なる既存のシティーホテルにも影響が出てきている」と話す。

 一方、県外から進出してきた新規ホテルは、モノレール駅に近い立地と全国ネットワークを生かして集客し、電話やインターネットで予約を受ける直販体制を確立してコストを抑制。ある施設では客単価8000円と客室稼働率65%を損益分岐の目安とし、高収益をあげる強気のモデルになっているのも特徴の一つに挙げられる。

 県統計の10月入域観光客数は前年同月比4・5%増で11カ月ぶりに上回った。日本銀行那覇支店調査の那覇市内主要ホテルの10月客室稼働率は6・4ポイント上昇の71・4%だったが、シティーホテルの経営者は「地元のホテルに実感はない。むしろ輪をかけて厳しくなっている」と話す。

 りゅうぎん総合研究所調査部の久高豊部長は「1年余りで1000室増加は多い。観光が回復に向かう段階で供給が増え、客は新しい施設に流れている。観光客数が順調に増えなければ全体がもうかる状況にはならない」と分析。玉那覇課長は「団体客から個人客にシフトしてきているので、差別化に取り組めば既存ホテルにも需要を取り込める可能性はある」としている。



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