2011年12月4日日曜日

■韓国のベビーブーム世代、老後の備え不十分


韓国のベビーブーム世代、老後の備え不十分
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2011/12/04/2011120400207.html
2011/12/04 10:42
退職後の生活に必要最小限の資産、280万人が保有せず
 
 地方の産業団地にある中小企業に勤務するLさん(54)は、定年まであと2年だ。Lさんが保有する資産といえば、10年前から住んでいる30坪(約99平方メートル)のマンション(1億2000万ウォン=約828万円)と、数年前に預金をはたいて購入した郊外の宅地(5000万ウォン=約345万円)、数口の保険が全てだ。定年後の資金を集めるため、5年前から年金貯蓄の積み立ても始めたが、来年に次女の結婚資金として使わなければならなくなった。Lさんは「これから食べていくためには、退職後に日雇いの仕事でもするしかない」と話した。

 Lさんをはじめとする韓国のベビーブーム世代(1955-63年生まれ)の大量退職が目前に迫っている中、多くの人たちは老後の備えが十分とはいえないのが実情だ。ベビーブーム世代は、韓国の人口の14.6%(713万人)を占めている。これまで激しい競争の中を生き抜いてきただけに、老後は楽な生活を送りたいと望んでいるが、現実は冷たく厳しい。ベビーブーム世代の世帯主370万人のうち280万人が、退職後の生活に必要最小限の資産を保有していないことが分かった。KB金融持株の経営研究所が1日、統計庁の「2010年家計金融調査」を基に分析した結果、こうした厳しい現実が浮き彫りになった。


■退職後の資金が不足

 同研究所による調査の結果、ベビーブーム世代の世帯の平均資産額は3億3775万ウォン(約2330万円)だった。これは不動産や預金、ファンド、伝貰(チョンセ=高額の保証金を預ければ、その運用益で家賃負担が不要となる韓国独特の賃貸制度)の保証金などを全て合計した金額だ。

統計庁の調査で、ベビーブーム世代の人たちは、退職後に最低限の生活を送るため、月に148万ウォン(約10万2000円)が必要だ、と回答した。55歳で定年を迎えてから、平均寿命の83歳まで生活を送るためには、少なくとも3億6000万ウォン(約2485万円)が必要だという試算もある。平均資産と退職後に必要な資金がほぼ同程度というわけだ。問題は、退職後に必要な資金を3億6000万ウォン以上保有しているベビーブーム世代が全体の24.3%にすぎず、資産をめぐる格差が大きいという点だ。

 また、現在保有している資産が、退職後に必要な資金の50%(1億8000万ウォン=約1240万円)に満たない世帯は51.7%に達し、さらに10%(3600万ウォン=約249万円)にも満たない世帯が15.8%に達した。

 現在保有している資産を、退職するまで維持できる可能性も高くはない。子どもの結婚(平均7800万ウォン=約538万円)や大学の入学金(2500万ウォン=約173万円)、海外留学に必要な費用(7100万ウォン=約490万円)、独立開業(1億2600万ウォン=約870万円)など、金が出ていく先があちこちにあるためだ。

金正薫(キム・ジョンフン)記者
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版



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