2012年3月14日水曜日

■【上海ブログ】日本人が思い出の紅焼肉弁当を再現しようとしたら


【上海ブログ】日本人が思い出の紅焼肉弁当を再現しようとしたら
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2012&d=0314&f=national_0314_057.shtml
2012/03/14(水) 12:29
  
 留学時代、学生なので、ランチなどとおしゃれなことは言わず、昼飯。昼飯といえば、盒飯と言われるお弁当だった。今どき上海の盒飯はおしゃれなものが増え、日本のお弁当と大差なくなってきたが、当時、南京の下宿の近くに、昼飯時にやってくる屋台では、確か、専用の白い容器にご飯を山盛り入れて、その上に一葷二菜をぶっ掛けて、5元。

 当時の話をすると、30―40歳の中国の人たちであれば、「あった、あった、よく食べてたよ。考えてみれば安かったよね~」と言って、昔話に花が咲く。

 「葷」というのは肉系の料理。「菜」というのは野菜系の料理。だいたい十品ぐらいを毎日リアカーに乗せて持ってきて、その中から客は肉系の料理から一品、野菜系の料理から二品を任意に選ぶことができた。ただ、私の場合、正直「菜」で美味しいと思った惣菜がなかったので、毎日顔を合わせて仲良くなった屋台のおっちゃんに、「一葷」だけの特別盒飯を作ってもらった。それが紅焼肉ぶっ掛けご飯弁当だ。

 5元という値段を変えずに、一葷二菜の時の「一葷」よりも、「二菜」がない分多めの紅焼肉だけを熱々のご飯の上に乗っけてもらい、食べる。ご飯には時々、石が混じっており、食べながら「じゃりっ」といやな感触を味わうこともあったが、この紅焼肉がご飯とよくあって本当に美味。紅焼肉のタレがご飯に染み込むと、これはこれでまたうまい。

 紅焼肉は、毛沢東が好んだ料理として有名だ。もともとは湖南料理らしい。と言っても辛くはない(店によっては激辛仕上げもある)。簡単に言ってしまえば豚の角煮で、豚肉を醤油ベースのタレ(砂糖のほか、八角など中国らしい香辛料も入った甘しょっぱいもの)で煮込んだもの。

 現在までに、中国各地でいろいろな紅焼肉を食べたし、長沙に行った時も本場の紅焼肉を食べた。今でも、上海現法スタッフには羊のしゃぶしゃぶのほかに、紅焼肉好きで通っているが、これは留学時代によく食べた昼時の弁当の影響が大きい。

 上海に改めて赴任した最近、どうしてもこの紅焼肉ぶっ掛けご飯弁当が食べたくなった。昔のような形式の屋台はほとんど見なくなったし、路地の店で時々ぶっ掛けご飯弁当に似たようなものを売っているものも目にするが、記憶にある紅焼肉とは程遠いものしかなく、それでは意味がないし、そもそもそうした店舗は極めて不潔そうで、学生の頃ならともかく、現在は尻込みしてしまう。

 考えた挙句、「料理店で本当の紅焼肉を頼んで、ご飯と一緒にテイクアウト」という方法を取った。週末で時間があったこともあるが、やはり昔の味をどうしても再現したかった。紅焼肉を出していそうな、路地の店を探し当てた。

 紅焼肉22元、ご飯1元。料理としての紅焼肉には最近、肉以外にもゆばを巻いたようなものも肉とともに煮込まれ出てくる。それはそれで美味しいのだが、紅焼肉ぶっ掛けご飯弁当の再現には肉だけでよいので、贅沢に肉だけをご飯にぶっ掛けた。

 結果、当時の4倍以上の豪華な弁当となってしまったが、家に帰って食べたそれはやはり美味だった。しかし、、やはりテイクアウトしたご飯の中に石が入っており、「じゃりっ」といやな感覚。面倒だからそのまま飲み込んでしまった。

 そこは昔を再現しなくていいのに。。しかし、今どきの上海のご飯の中に、まだ石が入り込んでいるとは。。ご飯のテイクアウトはやめよう、これからは家で炊くことにしようと心に誓った。



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