2012年4月17日火曜日

■官も民もレアアース盗掘…儲かりすぎて「やめられません」=中国


官も民もレアアース盗掘…儲かりすぎて「やめられません」=中国
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2012&d=0417&f=national_0417_077.shtml
2012/04/17(火) 13:25 サーチナ
 
 中国、江西省ガン州一帯で、官・民ともにレアアース(希土類)盗掘に「いそしむ」現象が発生している。中央政府は「厳格な生産管理」を試みているが、「ヘロインを扱うより儲かる」と、“違法採掘ビジネス”にいったん手を染めると「中毒状態」になってしまうという。中国新聞社が報じた。(「ガン」はへん部分が章、つくり部分は夂の下に貢)

 ガン州は、中国におけるレアアース主要産地のひとつだ。中央政府は厳しい採掘制限を行っているが、中央企業と地元の利益の対立構図が発生し、中央政府の意図は「まったく徹底されていない状態」という。

 中国政府がレアアースについて厳格な生産管理を始めたのは2011年後半だった。その後、「きちんとした企業」の多くはレアアースの採掘を停止したが、個人業者の「盗掘」が盛んになったという。

 正規の企業について、ガン州地域におけるレアアース採掘量を1年当り9000トンと定められた。超過すれば、翌年の採掘量をその分だけ減らす規則だ。

 しかし実際には、「割り当て量を超過した場合、非正規のルートで売りさばく」ことが一般的だ。さらに、ガン州地域ではレアアースの鉱脈が地下の浅い部分に存在し、しかも広く分布しているので「小規模な盗掘にはうってつけ」だ。

 取り締まりの目を逃れるため、多くの場合、採掘開始は午後7時で、翌朝午前7時まで作業をするという。作業員には「口止め料」込みで1晩あたり300元(約3830円)の日当を手渡す。労賃としては割高だが、得られる利益に比べれば、「たいしたことはない」という。

 それよりも、近隣住民の「口止め料」の方が“経営”にとって負担だ。通報されれば設備の差し押さえなどで2万元(約25万6000日本円)以上の“損失”が出るので、需要と供給の「市場原理」が働き、値上がり傾向があるという。

 一方で、以前は1トン当り2万-3万元(約25万6000-38万3300日本円)だった出荷価格は40万元(約511万円)にまではね上がった。「ヘロインを扱うより儲かる。リスクは少ない」と、いったん手を染めると“中毒状態”になってしまうという。

 鉱脈がある県の高級幹部が「盗掘」に手を染めている場合もある。取り締まりを担当する鉱管局の職員も「こういう状態ですからね。私どもも、口出しできませんよ」とあきらめ顔だ。

 掘り出したレアアースを含む土壌は、まず硫酸アンモニウムを使って処理する。硫酸アンモニウムは農薬として用いられるが、濃度が高い溶液は植物の根をだめにする作用がある。違法に採掘されているレアアースの業者は、高濃度の硫酸アンモニウム溶液を「垂れ流し」ている状態だ。

 そのため、廃液が流れ込んだダム湖の周囲の木がほとんど枯死してしまった例もあるという。今後は、農業への影響も懸念されている。


◆解説◆

 レアアース採掘の環境面へのもうひとつの大きな問題が、「鉱石がトリウムを含んでいる」ことだ。トリウムは自然の状態で放射性同位元素を含んでいる。現在のところ、トリウムに産業的な利用価値はないが、レアアース採掘の際にトリウムを適切に処理しないと、放射性物質による環境汚染が発生することになる。

 中国のレアアースが世界市場を「席巻」した最大の理由は、「環境面にきちんと配慮する必要がなかったので、極めて低コストで生産できた」こととされる。



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