2012年6月6日水曜日

■頻発する事故 日本「観光立国」への険しい道のり


頻発する事故 日本「観光立国」への険しい道のり
http://japanese.china.org.cn/business/txt/2012-06/05/content_25568269.htm
「中国網日本語版(チャイナネット)」2012年6月5日

日本新華僑報に先日掲載された記事内容によると、日本は「観光立国」施策の取組みにおいて、安全管理を第一優先課題として実施していかなければならない、と記されている。

異国情緒あふれる夢の国・東京ディズニーシーで、ジェットコースター型アトラクション「レイジングスピリッツ」の座席の安全バーが上がったまま車両が動き出した。危険を感じた乗客は降りようとして軌道脇に転落。車両は2メートルほど進んで緊急停止し大事には至らなかったものの、その乗客は右足に軽傷を負った。

開業したばかりの東京の新名所・スカイツリーでは、ゴミ箱の設置が行き届いておらず、急増する観光客のポイ捨てが日に日にひどくなっている。また、絶好の撮影場所を求め、付近のマンションの外階段に無断で上る人も続出しており、住民らとのいさかいが多発している。事業主の東武鉄道は「新会計年度は東京スカイツリーのオープンでかなり潤うはず」と見込んでいたが、オープン後1週間も経たない間に、数百件ものクレームの対応に追われるという、精神的にかなりつらい状態にある。

こうした問題に対し、「日本人は仕事でも暮らしの上でも、細部まで行き届いていることで有名なのに、なぜこれほど初歩的なミスが起きてしまったのだろう?」という疑問が禁じ得ない。

日本はかねてから「観光立国」実現に向けた取り組みに尽力しており、この度、2012年度から2016年までの5カ年の観光立国推進基本計画を閣議決定している。国土交通省に設置された観光庁の指導のもと、各自治体では、地域に内在する観光資源の発掘・整備に余念がなく、また集客力のあるサービスの強化に努め、各地の特色に応じた具体的な実施計画を制定している。この点で、日本は観光事業の振興に、その他の国では類を見ないほど、きめ細やかな政策が推進されている。

だが、こうした計画を充分に実施できないケースも多々ある。これは、各自治体の財源不足によるものでもあるし、自治体が闘争にかまけ指導を怠っていることにもある。特に、観光に関わる安全管理において、大きなリスクが内在しており、悪徳業者がビジネスチャンスをうかがっているというのが現状だ。

今年2~3月、日本の震災復興の状況を伝える「元気な日本展示会(活力日本展)が、北京、上海、香港で行なわれた。だが、中国人観光客を呼ぶには、会場で展示される画像や文字だけでは駄目である。もっと具体的な行動を伴わなければならないのだ。日本の「観光立国」施策も、観光地の発掘や宣伝手段の指導、小売店の販促だけに留まってはならず、安全面の管理をどのように行なうのか配慮していかなければならない。日本の観光立国を成功に導くのは「細やかな配慮」である。日本の観光当局が先だって公開した情報によると、この数カ月の努力により、訪日する外国人観光客の数は地震前の水準に戻っており、各自治体の観光当局や事業者も喜びを隠せない様子だ。

外国人観光客の訪日が一気に増えたことは、日本の観光産業を潤すことは間違いないが、同時に日本の観光設備や管理措置の水準が試されることにもつながる。各自治体の当局は、安全対策を怠ったために起こった事故の教訓や経験をよくよく噛みしめ、日本を「観光立国」にしていくために先ずすべきことを考えなければならない。



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