2012年6月23日土曜日

■そこに隣人愛はあるか? 日中最新世論調査結果


そこに隣人愛はあるか? 日中最新世論調査結果
http://jp.wsj.com/japanrealtime/blog/archives/12035/?mod=Center_jrt
2012/6/22 14:59 WSJ

貿易政策から領土問題まで、日中両国の間には常に何かしらの意見の対立があるようだ。しかしこれらアジアの2大国が合意できることがあるとすれば、それは互いに感じている反目感情であろう。それが最近の調査結果に示されている。

特定非営利活動法人の言論NPOが20日に発表した第8回日中共同世論調査結果によると、回答を寄せた日本人の約84%が中国に対して「良くない/どちらかといえば良くない印象を持っている」と答えている。前年より6パーセント・ポイント上がっているほか、調査が開始された2005年以降、最も高い数字となった。一方、同様の印象を持っていると回答した中国人は64.5%で、前年からわずかに下がっている。

その理由として両国の国民が挙げた内容は必ずしも新しいものではない。事実、そのほとんどが数十年前から対立している問題に根差している。しかし、これらの問題に目立った進展がないなか、名古屋の河村たかし市長が「南京事件」を否定する発言をしたことや、石原慎太郎・東京都知事が尖閣諸島を購入する方針を打ち出したことなどは、中国の反日感情を強める一因にもなった。

日本の反中感情の理由として最も多くの人(54.4%)が選んだのは「資源やエネルギーの確保で自己中心的に見えるから」で、これは中国がレアアースに輸出制限をかけた最近の動向が影響しているとみられる。

しかし次に多かった理由は48.4%の人が選んだ「尖閣諸島を巡り対立が続いているから」だった。尖閣諸島は、中国名で釣魚島と呼ばれ、日本によって管理されているが、中国と台湾も領有権を主張している場所だ。2010年に中国漁船と海上保安庁の巡視船が衝突した事件以後、領土問題を覆う影は両国で大きくなった。

回答を寄せた中国人の約79%が「過去に日本と戦争をしたことがあるから」を反日感情の最大の理由として選んでいる。戦争の記憶はどのくらい深く、互いの歴史的回想に反映されているのだろうか。中国が関わった歴史的事実で何を思い浮かべるかとの質問に対し、日本人は自国にほとんど関係ないものを挙げた。約84%が指摘したのが北京オリンピックで、次に1989年の天安門事件、それから香港の中国への返還と続く。一方、中国人は日本人が直接関与したものを選んでいる。1937年の南京事件と31年の満州事変だ。

お互いの「国民性」をどう見ているか、との設問でも、互いに決して褒めてはいない。回答者は例えば、「親切か/傲慢か」「勤勉か/怠慢か」といった10の項目でより近いと思われる国民性を選ぶ。その結果、回答を寄せた日本人の約半分が中国の国民性をこう評している。「勤勉だが頑固、利己主義、非協調的、模倣的、信用できない」。一方、中国人は日本の国民性をこう見ている。「勤勉で創造的だが、好戦的で信用できない」。

将来に関しては、両国民とも領土問題が要になるとみている。回答した日本人の70%近くが尖閣諸島問題が両国間の関係を発展させる上で最大の障害だと答えている。一方、中国人も半数をわずかに超える人が同様の回答をしている。

調査は4月と5月に実施された。日本人約1000人と中国人1627人が調査に参加した。

記者:Yoree Koh


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