2013年1月21日月曜日

■【コラム】NHK大河ドラマと地域振興


【コラム】NHK大河ドラマと地域振興
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2013/01/20/2013012000223.html
2013/01/20 09:54 朝鮮日報

 日本の公共放送局であるNHKにはこのところ、福島の中でも観光名所が多い会津若松市の風景・歴史的遺跡・地元の祭りなどがほぼ毎日登場する。NHKで6日にスタートした『八重の桜』という大河ドラマをPRするためだ。このドラマは19世紀末の会津若松が舞台になっている。

 NHKが52作目の大河ドラマの舞台に会津若松を選んだのは、原発事故に苦しむ福島を励まそうという理由からだ。観光客が減っている福島だが、大河ドラマ効果を期待して久しぶりに明るさを取り戻している。主演女優・綾瀬はるかが新種の桜を「はるか」と名付けるなど、地元の人々は大河ドラマ効果に期待している。また、登場人物やゆかりの品を紹介するドラマ関連展示室も間もなくオープンする。

 福島の期待が大きいのは、これまで放送された大河ドラマでも地元の観光効果がアップし、成果を挙げているからだ。NHK大河ドラマに登場した地域はどこも全国的な観光スポットになっている。1年間放送される大河ドラマには、舞台となる地域の遺跡・風景が繰り返し登場する。NHKは毎週ドラマの最後に登場人物にちなんだ場所や遺跡を交通アクセスなどと共に紹介している。このため、大河ドラマを見ると外国人でもその地域に一度は行ってみたいという気持ちになる。ドラマ自体が、舞台になっている地域の強力な間接広告といっても過言ではない。

 ドラマが地域の運命を変えることもある。1997年に放映された『毛利元就』では、舞台になった広島・山口・島根の各県を訪れた観光客が900万人に達した。地方自治体と地元の人々はドラマ効果がその時限りで終わらないようにするため全力を注ぎ、視聴率に一喜一憂する。 2008年に放映された『篤姫』では、鹿児島へ行く観光ツアー商品が多数誕生した。鉄道会社もゆかりの地を回る観光列車を運行させ、地元飲食店はドラマにちなんだ料理・食材や特色ある土産物を企画・販売した。

 地方を舞台にしたドラマを撮影するのは容易ではない。人気俳優たちのスケジュール調整や、制作費もハードルが高い。それでもNHKが毎年大金を投じて大河ドラマを作るのは、それだけ国民に愛されているからだ。出演者たちもNHKの大河ドラマに出演することを最高の栄誉だと考えている。多数のCMに出演している人気女優の剛力彩芽はヒロインの幼なじみ役だが、出演決定に「父が大河ドラマが大好きなので感激しています」と思わず涙ぐんだという。NHKは朝の連続ドラマでも全国各地を舞台にした作品を放送している。

 韓国も歴史ドラマの地域観光活性化効果が期待されており、各地方自治体では多額の資金を支援してオープンセットを建設している。だが、ドラマ終了後は管理が行き届かず、廃虚になる事例が繰り返されている。NHK大河ドラマはあまりよく知られていないゆかりの地や自然景観をバックに撮影し、その知名度を全国的にするのに一役買っている。また、オープンセットはほかのドラマの撮影に使われる。韓国も地域経済の活性化に寄与する歴史ドラマの制作が続くよう期待したい。




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