旅の季節、注目の駅弁は? 復興、食育…郷土の心詰め
http://www.sankeibiz.jp/econome/news/120416/ece1204160927000-n1.htm
2012.4.16 09:23
もうすぐゴールデンウイーク。家族や友人と旅行を予定している人も多いだろう。電車での旅では、車窓から見える風景とともに旅の思い出となるのが駅弁だ。「東北復興」「食育」など注目の駅弁を紹介する。(村島有紀)
願いを込めて
東日本大震災からの復興の願いを込めて東北地方を旅する人にお勧めなのが、JR仙台駅の「東北福興(ふっこう)弁当」(日本レストランエンタプライズ、1050円)。東北6県の食材19品目と盛りだくさんで、それぞれの地域に思いをはせることができる。
JR気仙沼駅の「気仙沼想(おも)い弁当」(350円)。震災で製造工場が被災し食材調達も困難を極める中、「地元の人やボランティアの人に食べてもらいたい」と駅弁関係者が奮闘し、震災直後に誕生した。
製造する気仙沼観光コンベンション協会御弁当サプライヤー委員会によると、震災前までは地元食材を使った4種を販売。今月中には、その一つ「黄金龍のハモニカ飯」(650円前後)が再開できる見込みだ。丸子雅之事務局長は「主品目のカジキマグロが安定して入手できるようになった。初心を忘れず、駅弁を通じて気仙沼の復興をアピールしたい」と力を込める。
地元食材を知る
地元の子供たちの食育に役立てる例もある。JR高知駅では1日から、3種の「とさっ子駅弁」(安藤商店、800~1千円)を販売。小学4~中学3年の子供たちによるまちづくり企画「とさっ子タウン」の有志25人が、駅弁を通じた公共交通機関の活性化を目指す「土佐駅弁学会」の協力を得て開発した。食材選びから原価計算までを子供たちが担当。1つ売れるごとに50円が同タウンに寄付される。
プロジェクトリーダーの畠中智子さん(52)は「子供たちは高知の食材の魅力を再発見できた」。今後は多彩な地場の魚を使った駅弁を開発したいという。
三角食べがコツ
駅弁をより楽しむにはどうしたらいいのだろうか。『駅弁読本』(エイ出版社、1260円)などの著書があり、インターネット上で「駅弁の小窓」(http://ekibento.jp/)を運営する静岡県三島市の高校国語教諭、上杉剛嗣(つよし)さん(51)は「車窓からの景色とおかず、ご飯の3つを順番に楽しむ『三角食べ』がおいしく食べるコツ」とアドバイスする。
駅弁には大きく分けて、色とりどりの「幕の内系」と、地鶏や魚介類など豪華な一点物がどーんとご飯の上にのった「特殊弁当系」がある。
特殊弁当の方が郷土色豊かなイメージだが、同じものが入ったように思える幕の内系も郷土の微妙な味わいや文化が反映され奥深い。例えば、新大阪駅新幹線ホームで販売されている「八角(はちかく)弁当」(デリカスイト、1100円)。上杉さんは「揚げ物はなく、煮染(し)めや焼き魚などに繊細な大阪の味わいが凝縮され、おいしい」と評価する。
お目当ての駅弁を確実に手に入れるには、事前に予約するのがおすすめ。蓋の上に載った掛け紙にも注目しよう。お弁当を開けるわくわく感が駅弁の魅力をさらに高めてくれるだろう。
※「エイ」は木へんに世
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