科学研究に「賞」多すぎ、“ごみ論文の栄養源”に=中国
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2012&d=0416&f=national_0416_163.shtml
2012/04/16(月) 19:33
中国では科学技術の研究開発費が1年あたり20%の割合で増加している。しかし、独創力は不足しており、社会への貢献度も高いとは言えない。一因に、科学技術研究に対する「賞」があまりにも多いことがある。結果として各種の賞が“ごみ論文の栄養源”になっているという。中国新聞社が報じた。
温家宝首相も、2012年の政府工作報告で、「科学技術の評価と奨励制度の改善」を訴えた。政治主導による、各種の賞の「スリム化」が必要という。
中国政府は2000年以降、「科学技術の奨励」に本格的に力を入れるようになった。03年には政府の科学技術部など5部門が、「科学技術評価工作の決定について」という文書を発表し、奨励制度を整備した。
現在は国家が設けた各種の「賞」は400種、省(民族自治区、中央直轄市)が設けた「賞」は6000種以上、その他にも民間組織による「賞」が208種ある。全国で、審査会や表彰式がひっきりなしに行われている状態だ。
全国政治協商会議委員が、全国の科学研究組織11カ所の研究員374人にアンケート調査を行ったところ、60%以上の研究者が、「勤務時間の半分程度を研究プロジェクト承認の申請や、他人の研究を審査する活動、表彰などの審査を受けるための申請のために費やしている」ことが分かった。純粋な研究のための時間は全体の半分程度だ。
何らかの「賞」を受けることだけが目的化して「申請しなければダメ、申請すれば無駄にはならない。無駄になっても申請しなければダメ」という状態だ。
中国科学院の王志珍院士によると、中国の論文発表数は世界第2位だが、引用率は低い。逆に「スイスやノルウェー、イスラエルなどは論文の数こそ少ないが引用率は1けた台前半だ」という。つまり、中国の科学技術研究には「粗製乱造」の傾向がある。
複数の組織や研究者が共同研究をする場合、報告書にある参加者一覧の冒頭には「力のある組織」や「著名な研究者」の名が並び、実際には研究の核心部分を担当した組織や研究者の名が最後の方に書かれたり、記載されない場合もある。研究成果に対する評価を高めようとする意図によるものだが、優秀だが著名ではない研究者が「研究に専念しよう」という意欲を失いがちになる。
さまざまな「賞」を与える組織も、独立した第三者として評価する資質を欠いており、論文の捏造(ねつぞう)などが発生しやすい状態を招いているという。
そのため、科学技術研究に対する「賞」について、数を減らす「スリム化」と、各賞の質の向上を進めねばならない。研究組織においては、所属研究者が獲得した賞の数を、組織幹部に対する政治的評価や処遇に直接関係させない仕組みづくりも、「どんな賞でも、取りさえすればよい」という風潮を抑制するのに効果的という。
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