2012年6月16日土曜日

■被災地の観光回復道半ば 12年の観光白書


被災地の観光回復道半ば 12年の観光白書
2012/6/15 11:02 日経Web

 観光庁が15日公表した2012年版の観光白書によると、東日本大震災の被災地の宿泊需要はビジネス客が支える半面、観光客の回復は遅れていることがわかった。11年12月の被災3県の宿泊者数で、ビジネス客中心の宿泊施設は前年同月比29%増えたのに対し、観光客中心の施設は16%落ち込んだ。ビジネスと観光の施設を合計すると4%伸びた。

 観光庁は白書に合わせて被災地関連の宿泊施設に関するデータをまとめた。白書はビジネス客の急増について「復旧・復興関係者や被災者が多く宿泊した」と分析した。

 平均の宿泊日数の面で、被災3県は一時的に国内の人気観光地をしのいだことも判明した。大震災直後の11年4~6月期には例年上位にくる沖縄県、東京都、京都府を抜き、被災3県が上位に並んだ。首位の福島県(2.28泊)に、岩手県(1.94泊)、宮城県(1.67泊)が続いた。

 これは観光客の増加を反映した現象ではなく、被災地に復旧事業の関係者が長期滞在したり、県内の避難が長引いたりしたためだ。沖縄県は5位、東京都は7位、京都府は8位にとどまった。10~12月期には1.59泊で沖縄県が首位に戻ったが、福島県は1.49泊の2位、宮城県は1.45泊の4位で上位に残った。

 観光庁は3月下旬から東北6県で「東北観光博」を開催中だ。専用のパスポートを示すと、レストランや宿泊施設で割引を受けられるほか、スタンプラリーもある。開催は13年3月までで、東北地方への観光客を大震災前の水準まで回復させることを目指している。



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