2012年6月18日月曜日

■ロンドン五輪、勝てそうにない英観光業界


ロンドン五輪、勝てそうにない英観光業界
http://jp.wsj.com/World/Europe/node_461516
2012年 6月 15日  14:18 JST

【ロンドン】英観光業界は、6週間後に迫ったロンドン五輪(7月27日~8月12日)での「勝ち」を期待できそうにない。

  7、8月には五輪観戦のため60万~70万人が英国を訪れるとみられるが、同国観光当局者によると、海外から英国を訪れる人の数は、2012年通年では11年から横ばいの3070万人程度にとどまる見通し。落ちる金額も179億ポンド(約2兆2000億円)で変わらないと予想されている。

 欧州を中心とした世界的な不況で「消費者信頼感が全くない」ことも問題だと、英政府観光庁の調査・予想担当者デービッド・エドワーズ氏は語る。「五輪がなかったら、もっとずっと厳しい年になっていただろう」

 オリンピック自体も障害だ。高すぎるホテル代、人の多さ、その他の問題を恐れてロンドンを避ける旅行者もいるためだ。

 英観光当局者らは、短期的な増加を既に割り引いて考えており、今度は五輪の経済効果が数年にわたって続くよう期待している。

 業界では五輪期間中の観光が減る可能性もあるとの見方も出ている。業界団体UKInboundが観光施設やホテルを対象に行った調査では、7、8月の利用者数が前年から減るとの見通しが半数に上り、以前の調査より「かなり楽観が後退した」という。ロンドンの通常のホテル稼働率は平均85%。

 UKInboundのマリー・ランス最高経営責任者(CEO)は「業界は非常に懸念しており、政府も同じはずだ」と述べた。

 ホテルについてはロンドン五輪の組織委員会が2005年、メディア、関係者、スポンサーなど向けに4万室を一括予約し、残った部屋の料金が跳ね上がってから特に、潜在的利用者の中に料金に対するフラストレーションがあるようだ。

 市場調査会社フォワード・データのリポートによると、7月23日~8月12日の飛行機の予約は前年同期比13%増えている。米国からの乗客が20%弱を占め、ロシア、フランス、オランダからの乗客も増える見込み。オーストラリア、カナダ、イタリアでの予約は前年より減っている。

記者: Alice Speri



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