2012年6月1日金曜日

■貿易促進、中国旅行もお得? 円-人民元直接取引


貿易促進、中国旅行もお得? 円-人民元直接取引
http://www.sankeibiz.jp/macro/news/120531/eca1205312146013-n1.htm
2012.5.31 21:46  

1万円札と中国の100元紙幣。6月1日から東京、上海で円と中国の人民元の直接取引が始まる
 円と人民元の直接交換にはどんなメリット、デメリットがあるのか、Q&Aでまとめた。

 Q 直接交換の仕組みは

 A 東京市場では、企業や個人から注文を受けた銀行が円と元の交換レートを提示し合い、直接売買する。円とドルの取引と同様に、円と元の相場は需要と供給に応じて自由に変動する。これに対し、上海では中国政府の指定する銀行が提示した交換レートの平均値を毎朝公表する。銀行はこの平均値の上下3%の範囲内でしか取引できない値幅制限が設けられている。

 Q 直接交換できるとどんなメリットが

 A これまでは円を元に交換しようとすると、まず円をドルに換え、そのドルを元に換える必要があった。このため、企業や個人は銀行に二重に手数料を払っていたが、直接交換ではこれが1回で済む。

 Q 貿易にはプラス?

 A これまでは直接交換ができず、日中間の輸出入代金の約6割がドルでの決済だったが、企業はドルで受け取った輸出代金を円に換える際、為替レート次第でもうけが目減りしてしまう可能性があった。直接交換で円や元での決済が増えれば、日中貿易の拡大を後押しする効果も見込める。

 Q 中国に旅行に行く人に恩恵はあるか

 A 旅行者は出国する際に銀行の窓口で円を元に換えたり、帰国時には元を円に戻す。直接交換で手数料が下がれば、当然負担は軽減される。

 Q 日中両政府の狙いは

 中国にはドル依存からの脱却につなげたい思惑がある。日中に限らず、貿易はドル決済が中心で、ドル相場の変動により貿易黒字が大幅に減るリスクにさらされているからだ。日本は直接取引をてこに、今後拡大が見込まれる人民元関連の金融商品の取引を取り込み、東京市場の国際競争力を強化しようとしている。 Q 円の通貨価値は変化するか

 A 経済に勢いのある中国の元の利用ばかりが進み、国際的に円の埋没を招く恐れは否定できない。元高を嫌う中国が、東京市場でも為替介入して相場を誘導する心配もある



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