2013年2月15日金曜日

■春節 落ち込む中国人客


春節 落ち込む中国人客
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/yamanashi/news/20130214-OYT8T01456.htm
(2013年2月15日  読売新聞)

 尖閣諸島を巡る日中対立が続く中、10日、中国の旧正月に当たる「春節」を迎えたが、観光シーズンにもかかわらず県内を訪れる中国人客数は低迷し、観光地から落胆の声が上がっている。例年、県内の外国人旅行者の約4割を中国人が占めるが、県は新年度、横内知事が初めてインドネシアでトップセールスを行うなど、中国以外での誘客に活路を求める動きが官民に広がりつつある。

◇予約激減

 富士河口湖町浅川の「富ノ湖ホテル」では例年、約10日間ある春節の連休期間に中国人4000人が宿泊するが、今年は予約者数がわずか30人に激減。同ホテルの外川凱昭(よしあき)社長によると、昨年9月の尖閣諸島国有化以降、経営する同ホテルと鳴沢村のホテルで、11月末までに計5500件のキャンセルが相次ぎ、12月以降は中国人客の予約がほとんど入っていないという。外川社長は「まだ好転の兆しは見えない」と肩を落とす。

 また、笛吹市の石和温泉旅館協同組合によると、昨年2月には加盟旅館34軒に中国人客約1000人が訪れたが、今年は大口の団体客が減少。昨年の3~4割にとどまる見込みだ。

◇てこ入れも

 中国人客を増やすため、県は中国国家観光局や富士五湖観光連盟などと協力して9日、富士吉田市で日中平和友好条約締結35周年記念イベントを開催。程永華駐日中国大使らが出席し、交流ムードを盛り上げた。

 県の外郭団体「やまなし観光推進機構」(甲府市)も、春節に合わせて320万円の予算で記念マグカップを1万個製作。1日から県内76宿泊施設に配布し、中国を中心とする外国人客にプレゼントするキャンペーンを展開中だが、「効果はまだ未知数」だという。

◇他国にも目を

 観光庁の宿泊旅行統計調査によると、2011年1~12月に県内で宿泊した外国人延べ20万4470人のうち、中国人は8万7510人(42・7%)で、全国平均(15・9%)を大きく上回った。しかし、外交問題のたびに大きく変動する中国人客に頼らないよう、観光業者や県は、韓国や東南アジア諸国からの集客に本腰を入れ始めている。

 富ノ湖ホテルでは、10年に起きた尖閣諸島沖の中国漁船衝突事件を機に、「巨大な中国市場は魅力だが、より安定した他国にも販路を広げたい」と、タイやインドネシアに営業マンを派遣。昨年はタイ人宿泊者が一昨年より4000人以上増え、約2万人に達した。

 石和温泉でもタイ、シンガポール、韓国などの観光客が近年増加傾向といい、同温泉旅館協同組合の山下安広理事長は「中国だけに頼らず、東アジア全体から誘客する必要がある」と強調する。

 県は新年度、初めてインドネシアでトップセールスを展開し、横内知事が現地の行政関係者や旅行会社、メディアなどを訪問する。また、韓国の旅行関係者を県内へ招待したり、韓国のテレビ番組で県内観光地を紹介したりする事業も新たに打ち出した。

 県国際交流課は「韓国や東南アジアは観光客の伸びが十分に見込める。中国人観光客の重要性は変わらないが、リスクの分散が必要だ」としている。




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