【コラム】今こそ「下厚上薄社会」への回帰を
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2013/02/17 09:04 朝鮮日報
大学を卒業する若者を待ち受けるのは「無職」
やっと就職しても給料はわずか
少子高齢化により国の老化はさらに進行
20-30代こそ手厚い福祉が必要な世代
トッポッキ(棒状の餅を甘辛く煮込んだおやつ)店、のり巻き店、コーヒーショップなどを営む20-30代が急速に増加している。これまで主に中高年による生計の手段だったこれらの業種に、若い世代が徐々に進出しているのだ。自分一人の力で店を構えるケースもあるが、その多くは親の金を元手に仕事を始めている。彼らは若くして企業への就職を諦めて自営業に進出したわけだ。
金を出してくれる親がいて、例えのり巻きやトッポッキを作る仕事でも実際にできるのであれば、まだましな方だろう。21世紀の韓国で20代ほど、絶望に追い込まれた若い世代は他にいるだろうか。大学に入るため二浪・三浪するのはごく普通で、大学に入ってからも海外研修やインターンなど、履歴書にそれなりの経歴を書き込むため1年や2年休学するのも基本だ。しかも男子は兵役もあるため、大学や大学院を卒業するのに8年から10年はかかってしまう。
20代をこのように過ごして何とか大学を卒業しても、待っているのは就職ではなく無職生活だ。両親の保護を受け家族の冷たい視線を背中に感じながら食べさせてもらい、しばらく就職活動を続けているともう30代だ。しかし彼らにとって親元を離れて自立する方法はない。最近は親の間からも「子どもを生んで大学を卒業させるよりも、大学を卒業してから就職・結婚させ、さらに生活を支援する方に多くの金が掛かる」といった諦めの言葉も聞こえてくる。
1990年代以降、世界では好景気の中で株主中心の資本主義が広まり、「企業は成長するのに社員が貧しくなる」という現象が表面化した。韓国も例外ではない。企業が収益を上げてもその金は株主が持っていく。経営者は株主への配当を可能な限り増やすため、大量のリストラにより正社員を解雇し、非正規職を増やしていった。株主の利益のために全力を尽くす経営者や役員は巨額の報酬を手にするが、その下で働く社員は給料がほとんど増えず、資産を形成するのも難しくなった。
1980年代までなら企業は社員同士が結婚して子どもを生めば、教育資金を支援するため給与を増やした。これは韓国企業の「下厚上薄」の伝統だ。しかしこのような慣習は徐々に姿を消し、一部の大手企業を除く一般サラリーマンの生活は徐々に苦しくなり、いわゆる中産層から脱落していった。雇用労働部(省に相当)の統計によると、2002年の25-29歳の平均給与は126万ウォン(現在のレートで約10万7000円、以下同じ)だった。これは当時、最も多くの給与を受け取っていた40-44歳(189万ウォン〈約16万円〉)の69%だったが、これが08年には65%に低下した。つまり役員クラスの給与が37%増える間に、一般社員の給与は29%増にとどまっていたのだ。さらに、就職できなかった無職の若者や非正規職まで考慮すると、韓国社会が「下厚上薄」から「上厚下薄」へと急速に変わってきているのは明らかだ。
「下薄」の社会で希望を見いだすのは難しい。若者は仕事がないため結婚を遅らせ、家庭を持てたとしても財布に中身がないため子どもを生むのを避ける。「下薄」は少子高齢化をさらに促進させるため、国の老化はさらに進む。
朴槿恵(パク・クンヘ)次期大統領は保守政治家としては破格ともいえる福祉政策の公約を提示。生まれたばかりの赤ん坊から高齢者まで、全ての世代に必要に応じた福祉を行うと宣言した。しかし巨額の福祉予算が無償保育、大学授業料の半減、基礎年金、4大疾病(がん・脳卒中・心臓病・ 糖尿病)重症者の治療費の百パーセント国家負担など、散発的な政策に使われるだけであれば、単なる救恤(きゅうじゅつ)的福祉に終わる恐れも否定できない。
「朴槿恵式福祉政策」が国の将来に備える戦略的な福祉政策として成功を収めるには、政策のターゲットを20代や30代の若い世代へと見直さねばならない。彼らが仕事を得て資産を形成し、しかるべき時期に結婚して子どもを生まなければ「高齢社会の災害」を防ぐことはできないのだ。また「下厚上薄」の社会となれば、若者は力をつけて高齢者の面倒も見るようになるだろう。企業も雇用や賃金を通じて「下厚上薄」の再現のため努力しなければならない。これこそ企業が実践できる最善の福祉だ。
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