2013年2月5日火曜日

■中国・北京で大気汚染が深刻化


中国・北京で大気汚染が深刻化
http://mainichi.jp/feature/news/20130113org00m030001000c.html
2013年01月13日


北京市の大気汚染について-微小粒子状物質“PM2.5”とは-(2012年2月7日北京日本人会・中国日本商会共催「生活安全セミナー」における在中国日本国大使館経済部岡﨑雄太書記官講演資料から抜粋)
http://mainichi.jp/graph/2013/01/13/20130113org00m030001000c/001.html

 中国の首都・北京では大気汚染が深刻な問題となっている。

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 ◇北京市内の大気汚染について(2012年10月在中国日本国大使館)

 1.北京の大気汚染の概況

○ 北京市内の大気汚染状況は、当局の発表によれば十数年間連続で改善とされていますが、依然として深刻な状況が継続し、最近、大気の滞留しやすい自然条件も加わり、特に深刻な汚染が多発しています。

○ 現在、特に問題となっているのは「粒子状物質」です。北京市の粒子状物質(PM10:直径10ミクロン以下)の年平均値は0.124 mg/m3(2012年上半期)で、中国の環境基準(年平均値0.10mg/m3、2016年施行の新基準は0.07 mg/m3)を超過し、東京都(一般排ガス測定局0.021mg/m3、自動車排ガス測定局0.023mg/m3(2011年)と比較すると5倍以上のレベルです。

○ 微小粒子状物質(PM2.5:直径2.5ミクロン以下、PM10の4〜7割程度を占める)の新たな環境基準(2012年2月制定)は、2016年1月から全国施行予定ですが、北京・天津・河北、長江デルタ、珠江デルタ等の重点地域、直轄市及び省都では2012年から前倒しで観測が実施されています。また、北京の米国大使館も独自に観測データを公表しています。

 2.粒子状物質(PM10、PM2.5)の健康影響

○ 粒子状物質には、工場のばい煙、自動車の排気ガスなどの人為由来、黄砂、森林火災など自然由来のものがあります。また、粒子として排出される一次粒子とガス状物質が大気中で粒子化する二次生成粒子があります。

○ PM10(直径10ミクロン以下)、さらにはPM2.5(直径2.5ミクロン以下)と、粒子の直径が小さくなるほど、肺の奥、さらには血管へと侵入し易くなり、濃度上昇に従い、ぜんそく・気管支炎、肺や心臓の疾患による受診・入院数が増加、さらには肺がん・循環器系疾患による死亡リスクが増加します。

○ 高齢者や子供、肺・心臓に疾患のある方は、健康な成人と比べて大気汚染に対してより高いリスクを有します。

○ また、屋外で運動を行う際は、通常よりも速く深い呼吸を行うため、より多くの粒子が体内に吸収され、健康影響を及ぼすおそれがあります。

 3.一般的な対応策

○ 中国政府は毎日「大気汚染指数」を公表し、大気汚染の程度に応じ、屋外での長時間の激しい運動や外出を避けるよう呼びかけています。大気汚染のリスクを減らすためには、(1)屋外での運動を汚染の多い日から汚染の少ない日へ変更する、(2)運動時間を減らす(3)激しい運動から軽い運動へ変更する(例:ジョギングを散歩へ)、(4)汚染の激しい沿道での運動を避ける、(5)外出時にマスクを着用する、といった方法が考えられます。

○ また、屋外の汚染は屋内の空気の質にも影響するため、フィルター、空気清浄機の使用が汚染削減に有効であるとされています。



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