2011年12月14日水曜日

■トルコの7-9月GDPは8.2%増、経常収支は赤字幅縮小


トルコの7-9月GDPは8.2%増、経常収支は赤字幅縮小
http://www.morningstar.co.jp/portal/RncNewsDetailAction.do?rncNo=596707
2011/12/13 11:29

 12日、トルコ統計局が発表した7-9月のGDP(国内総生産)は事前予想を大幅に上回り、前年同期比8.2%増となった。市場予想は6%増程度。4-6月は8.8%増だった。

 前期比では1.7%増となった。4-6月から伸び率は低下したが、地理的にも近い欧州経済の不安が直撃するとみられていただけに、想定以上の強い内容となった。トルコ中央銀行のバシュチュ総裁は7-9月の想定以上のGDPの伸び率を受け、物価上昇への懸念が高まったとコメント。インフレはトルコ経済にとって脅威だとして利上げを示唆している。

 トルコはこれまで、オーバーナイト借入金利の引き上げなど、インフレ対策を施してきた。バシュチュ総裁はその効果によって今後のインフレ圧力は抑えられると発言しているが、12月に入ってから発表された10月の鉱工業生産、11月のCPI(消費者物価指数)などが市場予想を上回る数値となっており、現状はインフレ傾向に歯止めが掛けられずにいる。物価上昇の背景となっているトルコリラは政府の大胆な介入策もあって10月後半からリラ安是正の動きが出ていたが、欧州経済などの悪影響を受けて再び下落基調に入っている。

 一方、GDPと同日に中央銀行から発表された10月の経常収支は41億5100ドルの赤字となった。50億ドル程度だった事前の市場予想を下回り、9月の63億7600万ドルからも赤字額は減少したものの、1-10月の累計赤字幅は650億5700万ドルと前年同期の335億4500万ドルから93.9%増と2倍近い高水準となっている。貿易収支の赤字幅が764億7300万ドルと大幅に増加しており、観光収入などの増加で補い切れない状況が続いている。それでも赤字額は8月の40億700万ドルにつぎ、今年2番目に少ない水準。当初、年間の赤字額が1000億ドルに達するとの懸念もあっただけに、改善傾向が確認できる内容が評価されている。

 GDP、経常収支発表という大イベントがあったものの、金融市場は欧州経済の動向に左右される展開が続く。イスタンブール証券取引所ISE100指数は小幅安で始まったあとに下げ幅を拡大させる展開で、終値は1390.84ポイント安の5万2444.07ポイント。終値ベースで11月29日以来の5万3000ポイント割れとなった。為替市場は小動きで対円では1リラ=41円台後半で推移している。



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