在日コリアンの「本音」…北核実験、大阪・生野のコリアタウンから
http://news.infoseek.co.jp/article/sankein_snk20130216558
産経新聞(2013年2月16日20時33分)
【関西の議論】北朝鮮が12日に強行した3回目の核実験。国内では広島・長崎の被爆地をはじめ各地から多数の抗議の声が上がり、拉致被害者の家族など各関係者らにも失望の色が広がった。日本有数のコリアタウンが広がる大阪・生野でも、北朝鮮に家族を残した在日コリアンらは「まるでならず者」「次はもっととんでもないことをするのでは…」と非難の声一色。北朝鮮の暴挙に怒りの声は高まるばかりだ。
■核実験でおなかふくれない
“ならず者”の暴挙が伝わったきっかけは気象庁だった。12日午前11時57分50秒ごろに北朝鮮からの揺れを観測したことを発表。「地震の波形からして自然の地震ではない可能性がある」とし、推定マグニチュードは5・2、震源の深さは0キロとした。事態はすぐさま日韓両政府に伝わり、各メディアも一斉にこのニュースを報道。その後の調査で、地震は核実験による影響と判明した。
北朝鮮に妹がいるという飲食店経営の女性(36)は、午後0時半ごろに韓国の報道機関の衛星ニュースで事態を知ったという。料理の仕込みの手を止め、食い入るようにテレビ画面に見入った。「今回の実験は明らかに挑発行為。まるでならず者だ」。怒りに震える手をかざしながら「日本も韓国も甘く見られている。一度がつんと言ってやらないと北は調子に乗るばかりだ」と日韓両政府に厳しい対応を求めた。
また、「今ごろ妹は北でひもじい思いをしているかもしれない。核実験なんてしてもおなかはふくれないのに、どうしてこんなばかなことをするのか」と非難し、「北と韓国はルーツは同じ。これでまた在日コリアンへの目が冷たくなるかもしれない」と肩を落とした。
■黙ってみているつもりか
「どうせやると思っていた」。飲食店従業員の男性(46)は核実験の実施を報じるパソコンのニュース画面を開いた瞬間、諦めにも似た気持ちが広がったという。「核実験も3回目になり、1回目ほどの衝撃はなくなった。次はもっととんでもないことをするんじゃないか」と不安を隠せない様子で、「北は金正恩(第1書記)が指導者になってから過激さを増すばかりだ。なぜこんな暴挙に出れるのか」と早口で続けた。
また、「日本も韓国も、すぐ近くの国が戦争の準備を着々と進めているのを黙ってみているつもりなのか」と厳しい口調で日本政府を非難し、「危機感を持って対応しなくてはだめだ。日本はアジアのトップなのだから、アジアの安定に主導権を持って臨んでほしい」と力を込めた。
買い物をしていた主婦(29)は「餓死する国民もいるのに、どこにそんなお金があるのか」と主婦目線で北の核実験を批判。「核実験は外国にも北の国民にも最悪の出来事。いろんな国が一致団結して中止を要請してもだめだったのだから、もっと強硬に対応しなければ北は変わらない」と話した。
韓国の報道機関で核実験を知ったという無職の男性(41)は「北は異常だ」とぽつり。「でも最も恐ろしいのは、日本の国民が『戦争なんて起きるはずない』と思っていること」と続け、「実際に使用しなくても外交上の切り札を手に入れることになるし、一刻も早く対策を取るべきだ」と危機意識の欠如を訴えた。
また、飲食店従業員の女性(29)は「本当に恐ろしい。戦争が終わってアジア諸国が築いてきた平和が一瞬で壊れてしまう。最悪の事態にならないことを祈るばかりだ」と話した。
■実力行使が必要
一方、平成18年10月、21年5月に続く3回目の核実験に各方面からも非難の声が続々と上がった。
山田啓二京都府知事は12日の定例記者会見で、「東アジアと世界の平和とは違う方向だ。強く遺憾と抗議の意を示したい」と批判。都内で記者団の取材に応じた日本維新の会共同代表の橋下徹大阪市長も「ルール違反に対する制裁は非常に重要」とし、「相手方が絶対に言うことを聞かないときにはルールを守らせる実力行使が必要」と政府に対して北朝鮮への制裁を要求した。
また、松井一実広島市長は「被爆者の辛く悲しい経験に基づく平和への思いを踏みにじる暴挙」と強い憤りを表明し、北朝鮮の金正恩氏に抗議文を送付。原爆資料館(広島市中区)では、最後の核実験からの日数を表示している「地球平和監視時計」のカウントをゼロにリセットし、増田典之副館長は「北朝鮮の姿勢に憤りのみならず悲しみさえ覚える」と話した。
「長崎県平和運動センター被爆者連絡協議会」の川野浩一議長(73)も「事実上の長距離弾道ミサイル発射後の核実験は、これまでの実験とは異なり極めて深刻だ。日本政府は制裁だけではなく対話の窓口を開き続けるべきだ」と語った。
■「迷惑な電話」
「つくづくけしからん国だ。周辺国と共存共栄しようという気持ちはあるのか」。北朝鮮に拉致された被害者の家族らも怒りにうち震えた。田口八重子さん=拉致当時(22)=の兄で家族会代表の飯塚繁雄さん(74)は、「拉致を取り巻く環境変化が頻発することで、拉致事件の解決が遠ざかっていく感じが否めない」と強い警戒を示した。
また、横田めぐみさん=同(13)=の母、早紀江さん(77)は「あの国はやるといったらやる。前からずっと同じことの繰り返し」と失望。「国際社会みんなで、平和に交渉するよう揺るぎないメッセージを北朝鮮に言い続けてほしい」と国際社会が連帯して対応することを求めた。
一方、在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)は産経新聞の電話取材に対し、「私たちとは一切関係ないので、迷惑な電話をかけないでほしい」と話し、一方的に電話を切った。
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