韓国で漁師が急減
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2013/03/10 09:39
「イ・チュンイル都市問題専門記者の深層レポート」漁村エクソダス
漁村を襲う高齢化・低所得・二極化の「三重苦」
数年前、水産業協同組合(水協)の関係者と知り合い、しばしば顔を合わせた。少し前、その関係者に何気なくこう尋ねた。「韓国の漁家(漁業を営む家庭)の人口はどれくらいか」。同関係者は「15万-16万人のため、韓国の人口(約5000万人)の0.3%」と答えた。耳を疑った。ソウルの面積(605平方キロ)が韓国の国土(10万平方キロ)の0.6%にすぎないことを知ったときよりも意外だった。私は「それなら、水産業の関係者を全部合わせるとどれくらいか」と尋ねた。同関係者は「計67万人のため、人口の1.3%程度。年々減っている」と答えた。三方が海に面した国で漁業を営む家庭が人口の0.3%にとどまり、水産業者の合計も1%を少し超える程度でしかないとは。何か大きく間違っているのではないか…
■空洞化と高齢化
今から30年前、慶尚北道蔚珍郡厚浦面箕城里では300世帯・600人が暮らしていた。今残っているのはその半分、165世帯・270人だ。このうち70世帯は一人暮らしの高齢者で、ほとんどは女性だ。村には30代がおらず、60代以上が70%を占める。子どもはほぼ姿を消した。数年前に分校がなくなり、同地区に2校あった小学校はすぐに合併された。それでも、全校児童合わせて70人にもならない。若い世代が次々と故郷を去っていったからだ。漁村契(水協の地方組織)の長を務めるアン・ヨンウォンさん(57)には30代の息子が2人いるが、二人とも村を離れた。アンさんは息子たちに「仕事が大変ならいつでも帰ってこい。最大限の援助をする。漁村にも、努力すればまだ希望はある」と語った。しかし返事はない。アンさんは「高齢者ばかりが残り、寂れていく故郷を見守るのがつらい」と語った。
韓国国内で漁業を営む家庭は2000年以降5年間で毎年0.5%ずつ減ってきた。その後は年間4%ずつ急減している。漁家人口の減少傾向は一層強まり、最近10年間で40%も減った。1990年と比較すると、31%しか残っていない。農家の人口も90年と比べ57%しか残っていないが、漁家人口の減少幅はこれを大きく上回る。
空洞化だけでなく、高齢化も深刻だ。満65歳以上の人口の比率は、2011年だけで2%上がって25%に達した。韓国の平均値(11%)の2倍以上にもなる。労働の特性上、農家の高齢化率(34%)よりは低いが、ここ最近の増加率はずっと高い。海洋水産開発院のイ・スンウ水産政策研究室長は「青壮年の大量離脱で、2011年だけでも世帯主が40歳未満の家庭は27%も減った。こうした状況の中で、世帯主の平均年齢は還暦を超えた」と語った。
■低所得と二極化
「漁村エクソダス」の第一の原因は、低い所得だ。昨年、漁業を営む家庭1世帯当たりの所得は4022万ウォン(現在のレートで約345万円、以下同じ)だった。韓国政府は、5年後の2017年までに10%も上がらないと予想している。物価の上昇を考慮すると、事実上の後退だ。加えて今年は上がるどころかむしろ減少し、3900万ウォン(約335万円)台に落ちると予測されている。
漁船を捨て、収益が出る養殖に移る人が増えているのも、低所得が理由だ。全羅南道珍島郡義新面青竜里では、3年前から住民が続々とアワビの養殖業に転換し、今では全32世帯中11世帯が養殖業に進出している。漁業者としては避けられない選択だが、韓国の海はさらに放置されるようになり、中国漁船の違法操業ばかりがますますひどくなっている。中国との自由貿易協定(FTA)が正式に締結されれば、中国漁船が韓国の海域を侵犯して捕った魚を、韓国自身が輸入して食べることになる。
漁業を営む世帯と都市の世帯の所得格差も依然存在している。この10年、漁業を営む世帯の所得は都市の世帯に比べ70%台前半-半ば程度で推移していたが、今年は再び低下する可能性が高い。かつては漁村と都市の所得格差がほとんどない時期もあった。一方、漁業を営む世帯の負債は増えている。2011年には平均3787万ウォン(約325万円)となり、前年比6%増えた。40代を頂点として、年齢を重ねるにつれて所得は落ちていく。70代の高齢漁師の世帯になると、40代の漁師の世帯に比べ、所得は39%にすぎない。
漁業従事者が低所得以上に深刻に感じているのは所得の二極化だ。水協のある幹部は「零細漁業者の所得は徐々に下がっていく一方で、企業型の漁業従事者は数十億-数百億ウォン(数億-数十億円)も稼ぎ、格差は非常に大きくなっている。漁業者が漁村を離れたら、都市の貧民になるほか、どういう道があるというのか」と嘆いた。この幹部は最大の問題として、資源の減少と高齢化、そして二極化を挙げて「漁民の中産層復活による漁村の経済民主化が、水産界をよみがえらせる最も確実な道」と語った。実際、水産物の販売額が年間1000万ウォン(約86万円)を下回る魚家は全体の40%を超えている。結局、平均所得が4000万ウォン(約343万円)というのも、虚構と考えなければならない。中間層の実際の所得は、かなり少ないものと推定される。
イ・チュンイル記者
朝鮮日報
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