アングル:中国人観光客を狙う欧州、「発想の転換」必要
http://jp.reuters.com/article/worldNews/idJPTYE92705320130308
2013年 03月 8日 16:13 JST
[ベルリン/マドリード 7日 ロイター] 10年以内に中国人海外旅行者の数が現在の2倍以上に増えると予想される中、旅行先として現在高い人気を誇る欧州は、今後マーケティング戦略の転換を図る必要に迫られるだろう。
中国観光研究院によると、海外を訪れる中国人観光客は2020年に年間約2億人に達する見通しで、昨年の8200万人から大きく増加することになる。
欧州を旅行する中国人観光客といえば、パリやミラノの高級ブティックにバスで訪れるツアー客というイメージが浮かぶが、ベルリンで行われた国際旅行見本市ITBに参加した専門家らは、欧州各国はこのようなステレオタイプにとらわれず、中国人観光客に何がアピールするかを考えるべきだと指摘する。
欧州旅行委員会のエドゥアルド・サンタンデール氏は「欧州は今でも最も人気の旅行先だが、アプローチを変えないと、向こう10─15年で状況が一変することもあり得る」との考えを示した。
TUIトラベルのピーター・ロング最高経営責任者(CEO)によると、英国やドイツ、ロシアなどの観光客には人気の地中海のビーチは、中国人観光客にはほんとんどアピールしないという。
欧州旅行委員会が行ったオンライン調査では、中国人観光客が関心を寄せるのはクラシック音楽や中国文化にも関連がある歴史的地域など。また自国では大気汚染が深刻化していることから、澄み切った青空も人気を集めたという。
ドイツの経済学者カール・マルクスの出生地や、トウ小平が1920年代に住み、中国出身の学生が共産党の設立を計画した場所とされるフランスのモンタルジなどに興味を示す旅行者もいるだろう。
欧州では、ユーロ圏債務危機や緊縮財政が旅行関連支出の妨げになっている。特にスペインやギリシャなど債務危機が深刻化した国は、観光収入源として、英国やオランダ、ドイツといったこれまでの「常連客」以外にも目を向ける必要に迫られている。
スペインは、2020年までに中国人観光客の数を年間100万人規模に引き上げる目標を掲げる。2012年は同17万7100万人だった。
中国国家観光局の邵キ偉局長は、中国人観光客を取り込むには、スペインは言葉の壁を乗り越え、提供する食事も中国人がなじみやすいように変える必要があると指摘。
同局長はマドリードでのイベントで、「スペインの美術館や観光名所で中国語を話すガイドが増え、ホテルで中国のテレビチャンネルが見れるようになれば」と述べた。
スペイン北部で巡礼路のツアーを企画するマーリー・カミーノ社によると、シンガポールやフィリピンなどアジアからの問い合わせが増えた一方で、同地域の中国語公式ガイドは1人しかいない。
同社の共同ディレクターは、「文化の壁もあり、マナーも少し違う」とし、「(アジアからの)観光客を迎えるには、適切な対応や彼らがツアーに期待する点を理解しておきたい」と語った。
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