「コンビニご三家」なぜ賃上げ 消費回復 自ら率先
http://www.tokyo-np.co.jp/article/economics/news/CK2013030802000149.html
2013年3月8日 朝刊
春闘の集中回答日が十三日に迫る中、セブン&アイ・ホールディングスとローソン、ファミリーマートの「コンビニご三家」が、賃金水準を全体的に底上げする「ベースアップ(ベア)」に踏み切ったり、賞与を増額して従業員の年収を引き上げる。経済団体が「企業の経営環境は厳しい」と賃上げを渋る中、なぜ小売り大手は年収アップを図るのか、背景を探ってみた。
Q 小売業界でベアや賞与増額の動きが相次いでいるのはなぜだろう。
A 消費者の財布のひもが固くなっているのを身近で感じ、率先して所得を引き上げ、それが他の企業にも波及することで個人消費を回復させたい思いがあるようだ。加えて、小売・卸売業界の平均賃金が産業全体の水準より低いという現状やコンビニ業界二位のローソンが賞与増額を表明したため、首位のセブンと三位のファミマが人材流出を防ごうと追随した側面も考えられる。
Q 安倍晋三首相が経済団体に従業員の報酬アップを要請していたが。
A 安倍政権は金融緩和と財政出動などで企業がもうかるように後押しする。しかし、利益が上がっても従業員所得に反映しなければ、経済活動の六割を占める個人消費が伸びない。だから二月に、経済三団体のトップを呼んで「報酬を増やしてやってくれ」とお願いしたんだ。
Q しかし、財界は「経営が厳しい」と賃上げに慎重なはずだが。
A だから、財界からは「スタンドプレー(目立ちたがり)だ」と冷ややかな声も聞かれる。多くの企業が渋る中で賃上げに踏み切れば、「政権の手柄」も含めて大きく報じられるからね。特にファミマの発表は、甘利明経済再生担当相が、五日に「次はファミマに期待している」と名指しした直後だった。
Q いずれにしても所得が増えるのはありがたい。
A 世の中が明るいムードになるし、社員のやる気も上がるだろう。ただ、コンビニ業界の場合、社員より人数が多いパート社員が対象になっていないのが玉にきずだ。非正規社員の待遇が改善しないと、本格的消費回復とはならないだろう。
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