2013年3月11日月曜日

■【コラム】 習俗と環境保全意識の綱引き――爆竹文化は廃れるか


【コラム】 習俗と環境保全意識の綱引き――爆竹文化は廃れるか
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2013&d=0311&f=column_0311_021.shtml
2013/03/11(月) 11:24

 今年は北京、石家荘をはじめとする中国北部はスモッグの中で旧正月を迎えることになった。北京は北西部、北部、南西部が山間地帯で風向きなどの要素も加わって、スモッグが上空に停滞したままの日が何日か続き、気象台やテレビでは、ずっと観測数値を発表し、市民に呼吸器官の病気の予防のため、外出を控えるよう呼びかけていた。また、こういう大気の環境のもとでは、旧暦の除夜に爆竹を鳴らすことは適当に控えては、という呼びかけもあった。

 環境保全意識の向上とも関連があるとも思われるが、今年は爆竹を鳴らす人がいくらか減り、市民の間では爆竹に規制の網をかぶせてはという声も上がっている。

 しかし、昔から伝わってきた習俗を規制することは心理的にも納得しがたいという人たちもいるので、習俗と環境保全意識との綱引きは当分続くことになろう。

 新聞の報道ではこの習俗を保ちつづけようとしているのは40代、50代の人たちが主で、30代、20代はそんなものにおカネを使うより、エンターテインメントに費やした方がよい、という人たちが多いようだ。

 私は文化人類学とか民俗学に興味があるので、習俗維持派にも理解を示しているが、眼と耳を大事にしなければならない「趣味のような仕事」を続けているので、自分では「君子危うきに近づかず」で爆竹を鳴らしたことはない。

 毎年、ケガ人の治療にたずさわっている医師たちは、眼球摘出などの重傷者の例をあげて規制を声高に呼びかけている。

 しかし、今後の動きとしては、環境保全意識が向上していくにつれて、「維持派」はだんだんと減っていくものとみられる。それでも広大な農村地帯や農耕文化を背負っている人たちはあくまでもこの習俗を維持していくであろう。

 かつて、電気仕掛けで爆竹と同じ音を発する装置が売り出されたこともあるが、結局、実感がないということで姿を消してしまった。たかが爆竹ということぐらいで、なにもそう深刻に考えることもないではないがという人もいるが、どうもこれは中国の民俗と環境保全意識の綱引きとして数十年は続くのではないだろうか。でも、私は究極的には環境保全派が多数を占めることになると見ている。



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