2013年3月21日木曜日

■【コラム】 中国の「一人っ子政策」緩和が一筋縄では進まない理由


【コラム】 中国の「一人っ子政策」緩和が一筋縄では進まない理由
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2013&d=0320&f=column_0320_005.shtml
2013/03/20(水) 10:06

「一人っ子政策」緩和で中国の人口は再び爆発するのか?

 今年1月26日のエコノミストの記事で、「中国の人口 最大の課題」という記事があったが、要約すると、次のようなを言っていた。

 1月18日に国家統計局(NBS)は中国人の労働可能人口が昨年合計で345万人減少したと発表した。中国の一人っ子政策はその名称が暗示するほど厳格ではない。すべての例外が考慮されると1人の女性あたり約1.47人が許可される。

 この政策が劇的に緩和されれば、中国の人口は再び爆発するだろうか?実はそうはならないようだ。デューク大学のS. PHILIP MORGANと彼の共著者によれば、すべての制約が撤廃されたとしても出生率は多分ほぼ1.62に落ち着くだろうと言っている。

 緩和したとしても、如何なる2番目の子供が労働年齢に達するには少なくとも15年はかかるだろう。その間、中国の経済に何が起こるのだろうか?中国の人口の47%がまだ農村に住んでいるので、中国の都市労働力はまだ農村の犠牲によって成長する余地がある。しかしながら、中国の農村に余剰労働力がどれほどあるのかは大きな議論のあるところだ。

 幾人かの経済学者は中国の農業はまだ数千万人の労働者を手放すことができると考えている。一方で、中国社会科学院のCAI FANGのように他の人達は中国は早くも2004年には余剰労働力を使い果たしたと主張している人もいる。

 1995年以来、中国の経済は異常な率で成長して来ていて、年平均で9.8%拡大している。しかし、その上昇は多くの人々が思うほど未熟な人の労力に依存していない。

 KUIJS氏の計算によれば、雇用の単なる拡大は年成長率を0.7%しか貢献してきていないと言う。中国はその成長の大半が労働の追加とか移動ではなくて、産業の生産性を上げたことだ。中国の成功の秘密は労働者を増加させる事ではなくて、新しい資本、技術、そしてノウハウを労働者に与える事だったと言っている。

「成長」と「貧困」の間で揺れる一人っ子政策の緩和

 中国は1982年のトウ小平の南巡講話以来、工業化の発展とあわせて、その労働人口の増加は中国の成長の礎となって来た。その拡大が止まったという事を意味する。それと同時に10年以上にわたって賃金の上昇も10%を超えて来た。世界の工場としての今までのようなやり方はその転換期を迎える事となった。この労働可能人口の減少は1979年に始まった一人っ子政策に対しても見直さざるを得なくなるだろう。

 2012年版の中国統計年鑑によれば2011年の公式な出生率は中国全体で1.19で、北京が0.83、上海が0.70だ。一方アメリカは1.38で、日本は0.83だから、中国の沿岸部分の先進地域では日本と同じ現象が進んでいるという事だ。今後国家の成長要因の大きな足かせになる事は間違いない。

 中国の指導者達は今まで、一人っ子政策にひどく執着して来た。彼等が一人っ子政策に執着しなければ、4億人以上が生まれていただろうと言う統計データもある。

 2000年と2011年の間に14才以下の人口の割合は23%から17%に急落した。現在は65才以上の人口1人に対して労働可能年齢の人たちが約8人いるが、2050年にはわずか2.2人になってしまう。今の日本が2.6人だ。という事は中国は豊かになる前に高齢化国家になってしまうということだ。

 ただ人口を増やせば良いという事でもない。「後進国」の人口が増えてしまうと更なる貧困の問題が生じてしまうからだ。いずれにしても、今度の新政権の取り組むべき課題だがどうも一筋縄ではうまく行かないようだ。



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