航空各社がサーチャージ値上げ 海外旅行の準備は「5月中」か「8月以降」がお得?
http://www.j-cast.com/2012/05/08131400.html?p=all
2012/5/ 8 18:55 J-CASTニュース
原油高を背景に、燃油特別付加運賃(燃油サーチャージ)が上昇している。北米路線では往復で約5万円にのぼり、航空券そのものの値段よりも高くなってしまうケースもある。だが、サーチャージの基準となるジェット燃料市況を見ると、一時期に比べて値下がり傾向で、サーチャージも今後下がる可能性がある。値上がりする前に買うか、さらにしばらく待ってから買うか、微妙な選択を迫られることになりそうだ。
長距離路線では「サーチャージ>航空券」になることも
夏休みの旅行の準備はお早めに(写真はイメージ) 日本航空(JAL)と全日空(ANA)は2012年4月中旬、6月~7月に発券する国際線の航空券について、サーチャージを引き上げることを発表した。引き上げ幅は両社とも同じで、北米やヨーロッパ路線が往復4万7000円から5万2000円に、マレーシアやシンガポール路線が2万3000円から2万6000円に引き上げられる。
一方、航空各社が出す正規割引運賃でも、かなり「お買い得」なものが出てきている。例えば、出発50日前までに購入することが条件の北米西海岸向け運賃「JAL/AA USセイバー50」(JAL)や「アメリカ・カナダ エコ割50」(ANA)では、大型連休を除いた4月~7月中旬出発で最も安い運賃は往復4万4000円。長距離路線に限って言えば、サーチャージが航空券そのものの値段を上回るケースが、すでに出てきていることになる。6月以降に発券された分については、さらに割高感が増すことになる。
日本発の国際線需要は、震災の反動で、大型連休から夏休みにかけて大きく回復するとみられている。このことから、需要が冷え込むことを嫌った各社が「サーチャージが高止まりしている分、航空券の価格自体を抑えている」という側面もある。
ここで例に挙げた条件の割引運賃の場合、サーチャージが値上がりする直前の5月末に発券したとして、実際に旅行が始められるのは7月下旬以降。夏休み期間を直撃する形で、今から夏休みの航空券の手配を検討しても、決して遅くはないとの見方もできそうだ。
燃油価格は4月以降値下がり傾向
航空機には、ケロシンと呼ばれる燃料が使用されており、サーチャージは、「シンガポールケロシン市況価格」をもとに決められる。今回値上げの対象となった6~7月の発券分は、2~3月の市況価格が1バレルあたり134.29ドル。130ドルよりも高くなったことから、サーチャージの引き上げが決まった。ケロシン市況は、4月初めは137ドル程度とかなり高い水準だったが、それ以降値下がりが続いており、5月4日以降は130ドルを割り込んでいる。このまま値下がり傾向が続いて4~5月の平均が130ドルを下回れば、サーチャージも元の水準に戻ることになる。4~5月の市況価格が反映されるのは8~9月発券分のサーチャージ。仮にサーチャージが値下がりした場合、9月下旬以降に恩恵を受けられる可能性もある。
■航空大手2社の横並び「割高運賃」 安くできない理由は国交省規制
http://www.j-cast.com/2011/02/02086956.html
2011/2/ 2 11:17
スカイマークやスカイネットアジア航空といった新興航空会社の運賃は、日本航空(JAL)や全日空(ANA)といった大手航空会社(レガシーキャリア)に比べて割安だ。
この背景に、新興航空会社のコスト削減の努力があることはもちろんだが、国土交通省の指針で、大手は新興航空会社よりも安い運賃を事実上設定できなくなっていることは意外に知られていない。だが、この指針が出来たのは10年以上も前。「規制が競争をさまたげ、運賃の高止まりを招いている」との批判も出そうだ。
10年以上前に決められた「運用指針」が生きている
大手と新興航空会社の運賃の差は、国交省の規制が背景にある(写真はイメージ) 航空運賃は、国際線については国土交通省の認可が必要だが、国内線は、航空会社が運賃を決めて届け出る仕組みだ。国内線の運賃が認可制から届出制に移行したのは2000年2月の航空法改正の時だが、この時に決められた「運用指針」が、今でも航空会社の運賃設定に影響を及ぼしている。
この運用指針によると、一定の要件にあてはまった場合、国土交通省は、航空会社に対して運賃の変更命令を出すことができる。その要件のひとつが、「影響力を持っている航空会社が、別の会社が新しく事業を始めたときに、影響力を維持しようとして不当に運賃を下げる」(略奪的運賃設定)というもの。
航空会社が運賃を届け出る先の国土交通省航空局航空事業課では、
「原価を無視した届け出があった場合は、変更命令が行われる可能性があります。変更命令に向けた調査が始まるのを嫌ってなのか、最近は各社とも、そのような(新興航空会社よりも安い)運賃は出してきません」
と話しており、大手からすれば「仮に原価割れしていなくても、自主規制をせざるを得なくなっている」といった面もありそうだ。
新興航空会社は大手2社に比べ最大で4割安
実際の運賃を見てみると、例えば2011年3月27日の羽田発福岡行きの場合、搭乗3日前までの予約に適用される最も安い割引運賃(JALは「特便3タイプC」、ANAは「特割C」、スカイマークは「前割3」)は、片道でJALが3万1400円~3万2400円、ANAは3万1400円~3万2400円、スカイマークは1万8800円~2万1800円。同様に、羽田発宮崎行きの、搭乗28日前までの予約に適用される運賃だと、(JALは「先得」、ANAは「旅割」、スカイネットアジア航空(SNA)は「バーゲン28ランクA~B」)、JALは1万7600円~2万100円、ANAは1万7600円~2万100円、SNAは1万3600円~1万7600円と、新興航空会社は、大手2社に比べて最大で4割程度安い。
会社更生手続き中のJALに対しては、さらに制約が多い。同社に対しては、経営破たんから半月が経った10年2月5日付けで、国交省が
「公的な支援を受けている日本航空が、いたずらに運賃の引き下げを行うことは、市場における競争関係を歪めるおそれがあるだけでなく、短期的な運賃の引下げによって旅客の奪い合いを行っても構造的な要因の除去にはつながらず、日本航空の再生そのものが危惧される事態となりかねない」
とする文書を出している。この文書は、いわゆる「ダンピング批判」を念頭に置いたものだが、これがJALの運賃設定に影響を及ぼしている。
JALがANAより安い運賃提示は御法度
前出の国交省の担当者も、
「どうしてもダメだという訳ではないが、あまりにも安い運賃が示された場合は『こういう(文書が出ている)状況なので、考え直してはいかがですか』といったお話しをさせていただくことがあります。JALに公的資金が入っているという性質にかんがみたものです」
と、文書を根拠に事実上の行政指導を行っていることを明かしている。
文書には、「いたずらに運賃の引き下げを行うこと」というあいまいな書き方しかされていないが、国交省によると、実は具体的な運用方針まで決まっている。JALがANAと同額の運賃を提示した場合は、おとがめ無しだが、ANAよりも安い運賃が提示されると、「お話し」をすることになるのだという。確かに、例に挙げた2路線の運賃を見る限りだと、JALはANAと同額の運賃設定だ。
JALに対する制約は「最終的にはなくなる性質のもの。具体的にいつなのかは分からない」(国交省担当者)だというが、大手2社と新興航空会社の関係については、「10年間同じ運用、基本的に改めてはいない」(同)と、今後も変化の兆しはない。
大手2社が11年1月31日に発表した10年4~12月期の業績を見ると、JALは1586億円、ANAは777億円の営業利益を計上しており、一応は黒字基調だ。現状では、大手2社からは「原価割れしない範囲で競争力のある運賃を設定する」という選択肢が奪われ、消費者に不利益をもたらしている。運賃制度はこれでいいのか、議論になりそうだ。
http://www.j-cast.com/2012/05/08131400.html?p=all
2012/5/ 8 18:55 J-CASTニュース
原油高を背景に、燃油特別付加運賃(燃油サーチャージ)が上昇している。北米路線では往復で約5万円にのぼり、航空券そのものの値段よりも高くなってしまうケースもある。だが、サーチャージの基準となるジェット燃料市況を見ると、一時期に比べて値下がり傾向で、サーチャージも今後下がる可能性がある。値上がりする前に買うか、さらにしばらく待ってから買うか、微妙な選択を迫られることになりそうだ。
長距離路線では「サーチャージ>航空券」になることも
夏休みの旅行の準備はお早めに(写真はイメージ) 日本航空(JAL)と全日空(ANA)は2012年4月中旬、6月~7月に発券する国際線の航空券について、サーチャージを引き上げることを発表した。引き上げ幅は両社とも同じで、北米やヨーロッパ路線が往復4万7000円から5万2000円に、マレーシアやシンガポール路線が2万3000円から2万6000円に引き上げられる。
一方、航空各社が出す正規割引運賃でも、かなり「お買い得」なものが出てきている。例えば、出発50日前までに購入することが条件の北米西海岸向け運賃「JAL/AA USセイバー50」(JAL)や「アメリカ・カナダ エコ割50」(ANA)では、大型連休を除いた4月~7月中旬出発で最も安い運賃は往復4万4000円。長距離路線に限って言えば、サーチャージが航空券そのものの値段を上回るケースが、すでに出てきていることになる。6月以降に発券された分については、さらに割高感が増すことになる。
日本発の国際線需要は、震災の反動で、大型連休から夏休みにかけて大きく回復するとみられている。このことから、需要が冷え込むことを嫌った各社が「サーチャージが高止まりしている分、航空券の価格自体を抑えている」という側面もある。
ここで例に挙げた条件の割引運賃の場合、サーチャージが値上がりする直前の5月末に発券したとして、実際に旅行が始められるのは7月下旬以降。夏休み期間を直撃する形で、今から夏休みの航空券の手配を検討しても、決して遅くはないとの見方もできそうだ。
燃油価格は4月以降値下がり傾向
航空機には、ケロシンと呼ばれる燃料が使用されており、サーチャージは、「シンガポールケロシン市況価格」をもとに決められる。今回値上げの対象となった6~7月の発券分は、2~3月の市況価格が1バレルあたり134.29ドル。130ドルよりも高くなったことから、サーチャージの引き上げが決まった。ケロシン市況は、4月初めは137ドル程度とかなり高い水準だったが、それ以降値下がりが続いており、5月4日以降は130ドルを割り込んでいる。このまま値下がり傾向が続いて4~5月の平均が130ドルを下回れば、サーチャージも元の水準に戻ることになる。4~5月の市況価格が反映されるのは8~9月発券分のサーチャージ。仮にサーチャージが値下がりした場合、9月下旬以降に恩恵を受けられる可能性もある。
■航空大手2社の横並び「割高運賃」 安くできない理由は国交省規制
http://www.j-cast.com/2011/02/02086956.html
2011/2/ 2 11:17
スカイマークやスカイネットアジア航空といった新興航空会社の運賃は、日本航空(JAL)や全日空(ANA)といった大手航空会社(レガシーキャリア)に比べて割安だ。
この背景に、新興航空会社のコスト削減の努力があることはもちろんだが、国土交通省の指針で、大手は新興航空会社よりも安い運賃を事実上設定できなくなっていることは意外に知られていない。だが、この指針が出来たのは10年以上も前。「規制が競争をさまたげ、運賃の高止まりを招いている」との批判も出そうだ。
10年以上前に決められた「運用指針」が生きている
大手と新興航空会社の運賃の差は、国交省の規制が背景にある(写真はイメージ) 航空運賃は、国際線については国土交通省の認可が必要だが、国内線は、航空会社が運賃を決めて届け出る仕組みだ。国内線の運賃が認可制から届出制に移行したのは2000年2月の航空法改正の時だが、この時に決められた「運用指針」が、今でも航空会社の運賃設定に影響を及ぼしている。
この運用指針によると、一定の要件にあてはまった場合、国土交通省は、航空会社に対して運賃の変更命令を出すことができる。その要件のひとつが、「影響力を持っている航空会社が、別の会社が新しく事業を始めたときに、影響力を維持しようとして不当に運賃を下げる」(略奪的運賃設定)というもの。
航空会社が運賃を届け出る先の国土交通省航空局航空事業課では、
「原価を無視した届け出があった場合は、変更命令が行われる可能性があります。変更命令に向けた調査が始まるのを嫌ってなのか、最近は各社とも、そのような(新興航空会社よりも安い)運賃は出してきません」
と話しており、大手からすれば「仮に原価割れしていなくても、自主規制をせざるを得なくなっている」といった面もありそうだ。
新興航空会社は大手2社に比べ最大で4割安
実際の運賃を見てみると、例えば2011年3月27日の羽田発福岡行きの場合、搭乗3日前までの予約に適用される最も安い割引運賃(JALは「特便3タイプC」、ANAは「特割C」、スカイマークは「前割3」)は、片道でJALが3万1400円~3万2400円、ANAは3万1400円~3万2400円、スカイマークは1万8800円~2万1800円。同様に、羽田発宮崎行きの、搭乗28日前までの予約に適用される運賃だと、(JALは「先得」、ANAは「旅割」、スカイネットアジア航空(SNA)は「バーゲン28ランクA~B」)、JALは1万7600円~2万100円、ANAは1万7600円~2万100円、SNAは1万3600円~1万7600円と、新興航空会社は、大手2社に比べて最大で4割程度安い。
会社更生手続き中のJALに対しては、さらに制約が多い。同社に対しては、経営破たんから半月が経った10年2月5日付けで、国交省が
「公的な支援を受けている日本航空が、いたずらに運賃の引き下げを行うことは、市場における競争関係を歪めるおそれがあるだけでなく、短期的な運賃の引下げによって旅客の奪い合いを行っても構造的な要因の除去にはつながらず、日本航空の再生そのものが危惧される事態となりかねない」
とする文書を出している。この文書は、いわゆる「ダンピング批判」を念頭に置いたものだが、これがJALの運賃設定に影響を及ぼしている。
JALがANAより安い運賃提示は御法度
前出の国交省の担当者も、
「どうしてもダメだという訳ではないが、あまりにも安い運賃が示された場合は『こういう(文書が出ている)状況なので、考え直してはいかがですか』といったお話しをさせていただくことがあります。JALに公的資金が入っているという性質にかんがみたものです」
と、文書を根拠に事実上の行政指導を行っていることを明かしている。
文書には、「いたずらに運賃の引き下げを行うこと」というあいまいな書き方しかされていないが、国交省によると、実は具体的な運用方針まで決まっている。JALがANAと同額の運賃を提示した場合は、おとがめ無しだが、ANAよりも安い運賃が提示されると、「お話し」をすることになるのだという。確かに、例に挙げた2路線の運賃を見る限りだと、JALはANAと同額の運賃設定だ。
JALに対する制約は「最終的にはなくなる性質のもの。具体的にいつなのかは分からない」(国交省担当者)だというが、大手2社と新興航空会社の関係については、「10年間同じ運用、基本的に改めてはいない」(同)と、今後も変化の兆しはない。
大手2社が11年1月31日に発表した10年4~12月期の業績を見ると、JALは1586億円、ANAは777億円の営業利益を計上しており、一応は黒字基調だ。現状では、大手2社からは「原価割れしない範囲で競争力のある運賃を設定する」という選択肢が奪われ、消費者に不利益をもたらしている。運賃制度はこれでいいのか、議論になりそうだ。
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