2012年5月6日日曜日

■復興で日本が難局から脱するのは難しい(1)=中国人有識者

復興で日本が難局から脱するのは難しい=中国人有識者
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2012&d=0315&f=politics_0315_014.shtml
2012/03/15(木) 15:08
 
 中国社会科学院日本所所長の李薇氏はこのほど、震災からの復興で日本が難局から脱するのは難しいと論じた。中国網日本語版(チャイナネット)が14日付で報じた。以下は同氏の発言より。

 東日本大震災による津波や原発事故から1年が過ぎ、日本が大災害を切り抜けたかどうかに関心が集まっている。また日本の国運が大きな転換期を迎えているこの時期に構造的な矛盾を乗り越えるかどうか、国の発展のためにどのような立場と行く末を導き出すかが注目されている。

 日本は1年で一定の回復力があることを示したが、手に負えない問題も明らかになり、復興も大幅に遅れている。放射能汚染区域の住民の今後の生活、がれきの処理や土壌汚染の対策など困難は極めて多い。また汚染被害の賠償問題に関する対応も混迷し、長期化している。

 震災後の再建が後押しし、2012年の日本経済は11年に比べれば回復が期待できるが、高い人件費や法人税率、円高、電力コストの上昇などが足を引っ張っている。日本の自動車業界は好調だが、家電やIT産業、造船業など、従来は日本の強みだった産業は激しい競争によって深刻な赤字が続いている大手企業も少なくない。製造業の海外移転が加速する状況も避けられない事態となっている。

 政局の雲行きも怪しい。社会保障・税制一体化改革は政府が経済と社会の発展のために打ち出した政策であり、税収と社会保障制度の構造的な矛盾を解決することが目的である。政策の有効性や合理性などについて与野党の意見は一向に集約できないままである。与野党の協議は総裁選の前倒しを探る動きにまで発展している。

 また、長期的な構造問題はますます深刻化している。人口構造は十数年に亘って続いてきた日本経済の低迷のおもな要因である。日本はすでに高度経済成長期の「人口ボーナス」期から経済成熟期の「人口負担」の時代に突入している。2011年末まで、日本の労働人口は毎年1%のスピードで減少し、経済成長に0.7%のマイナス効果を及ぼし、毎年0.7%の労働生産性の伸び率を相殺してしまう。

 人口構造の問題に関連して、社会保障制度の支出が財政支出に占める割合が年々上昇し、財政負担が高まっている。公共債の残高が国民預金残高である1400億円に近づきつつあるなか、国民の我慢は極限まで達している。



 中国社会科学院日本所所長の李薇氏はこのほど、震災からの復興で日本が難局から脱するのは難しいと論じた。中国網日本語版(チャイナネット)が14日付で報じた。以下は同氏の発言より。

 政治構造の制約によって、日本では改革に対する共同認識を得るのは難しい。政党政治は民主政治という初志から遠くかけ離れ、政権の維持こそが最大の政治目標という考えが強まり、世論を利用し、また逆に世論に振り回されているという現状だ。今のような政党政治の構造では、どんな改革法案も政権を危険の渦中に導いてしまうため、実行しないに越したことはなく、また実行すること自体が難しい。

 また、日本の立場と外交戦略は保守的な方向へと戻っている。民主党政権は国の立場と進行方向を自民党時代の古い道へと戻している。つまり、日米同盟の深化が日本の戦略的な選択であり、国家の目標を達成する手段であると考えている。しかし、「正常な国家」という目標、「米国と親しくなる」という戦略的選択と日本自身の客観的な条件との間には構造的な矛盾が生じている。

 米国は昨年、戦略の重点を中東から「中国けん制」へと変換することを強調し、そのうえで日本との同盟の安定を最優先にした。日本はこれを戦略的なチャンスと考え、最重要同盟国という特殊な身分で、積極的に米国のアジア太平洋戦略に参入した。

 しかし、米国の戦略と外交関係は日本の必要に応じて計画されているわけではないため、米国の行動、特に米中関係に日本は過剰反応することとなった。日本は一方で「米国の中国とバランス良くけん制し合う戦略」に参加し、もう一方では中国の急速な経済成長のチャンスを逃すまいとしている。日本はこの「三角関係」の確立を提唱している。

 しかし、日米同盟を前提とした「三角関係」の枠組みはあり得ない。日本の外交・安全保障における戦略的選択と中国市場の長期的な発展から利益を得たいという考えには構造的な矛盾が存在するのだ。このような矛盾を克服するには、今後もしばらくは抑制と忍耐が必要になるだろう。



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