2012年5月21日月曜日

■日本観光振興 「ビザの切り札」は後何枚?


日本観光振興 「ビザの切り札」は後何枚?
http://japanese.china.org.cn/life/txt/2012-05/18/content_25417204.htm
「中国網日本語版(チャイナネット)」2012年5月18日

 東日本大震災で被災した日本の東北地方の復興支援を促進するため、政府は近日、2012年7月より岩手・宮城・福島3県を訪れる中国人観光客に対し、数回の入出国が可能な「マルチ観光ビザ」を発行することを決定した。このビザの最大滞在期間は90日で、最初の滞在は被災地で一泊することを義務ズ毛手居るが、2回目以降は被災地での宿泊は義務付けられていない。

2011年7月に、沖縄県を訪れる中国人観光客のビザの条件が緩和されてから、日本は再び、中国人観光客に「マルチビザ」の切り札を出した。関連する報道によると、2011年に政策が打ち出された半年あまりの間、外務省が発行したビザは1万4000件に達し、沖縄県を訪れる中国人観光客は40倍に増えたという。蜂のように湧いて集まってくる中国人観光客は沖縄県に着実な利益をもたらし、現地のアクセサリー・化粧品・生活用品などの売上高はうなぎのぼりで、自家用車の売上高は57%増加し、ホテルの客室稼働率は76%上昇し、沖縄県全体の経済が貧困から脱し、裕福になっていくけん引力となった。このような好成績が得られため、日本政府が「沖縄モデル」の「東北被災地3県バージョン」を急いで実施するのも理解できる。ビザの緩和を利用して、相乗効果をもたらし、被災地の復興の追い風となることを期待している。

間もなく実施される優遇政策について、東北3県は首を長くして待っている。しかし、批判の声や疑問の声も聞こえる。東北3県、特に福島県の放射性物質の残留はまだ徹底的に除染作業が完了しておらず、果たして観光客は喜んで訪れることができるだろうか。ビザ作戦は岩手と宮城には得だが、福島はないがしろにされてはいないだろうか。被災地のガレキの除去率は今日に至っても6%ほどで、被災者の多くが未だに仮設住宅で生活を送っている。このような状況で、大量に押し寄せる観光客へのサービスは行き届くのだろうか。更には、2009年から、日本は幾度となく中国大陸の観光客の訪日観光ビザの条件を緩和してきており、「医療観光」ビザも新たに設置された。日本はいくつの「ビザの切り札」を持っているのだろうか。この切り札に頼って、観光促進する動きはいつまで続けられるのだろうか。

まず、第1の問題として、大量の中国人観光客が沖縄県を訪れて利益をもたらすため、日本の他の地域は同じように得したいと切望していることだ。被災地だけでなく、他の地方もマルチビザ解放による効果に大いに注目している。大阪、千葉、北海道など20あまりの都道府県が中央政府に優遇政策実施の申請を行なう準備をしている。しかし、もしマルチビザの実施範囲がどんどん拡大されれば、刺激効果は拡散して弱まってしまう。沖縄地方旅行部は、「東北3県の『マルチビザの発行政策』が実施されれば、沖縄県を訪れる観光客は分散してしまう。そして、政府は復興を重視する一方で、沖縄県の貧困脱出への支援を忘れてしまう」と指摘する。

次に注目したいのは、低迷する日本市場への中国人観光客の貢献度は既に一般的な水準を上回っているということだ。日本の各行界は、観光客たちをただの「ATM」と考え、「ビザ」で彼らの行き先や動向をコントロールするのべきではない。

海外の観光客を頻繁に誘致する要素は2つある。民族文化と国民感情である。日本が中国人観光客の誘致に頼って、「観光立国」戦略を今後も推進し続けることを目指すのならば、観光資源の不断の開拓、より優れた文化ブランドの創出に努めなければいけない。また同時に、中日両国の国民の友好関係を築く努力を強化し、両国の心の距離を縮め、気持ちで観光客を惹きつけることを目指す必要がある。以上のことから、現在にしろ、今後にしろ、日本の観光産業の発展は「ビザの切り札」ばかりでは成り立たない。



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