日本が観光立国マレーシアから学ぶべきこと
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/35139
2012.05.09(水)アクマル アブ ハッサン
マハティール首相(当時)はルックイースト(東方政策)を唱え、日本に学べと言いましたが、いまや日本がマレーシアから学んでもいいのではないかと考えます。例えば、日本が力を入れ始めた海外からの観光客の受け入れはその1つではないでしょうか。
マレーシアを訪れた観光客は15年間で4倍近く増えた
昨年の世界の国際観光の動向を見ますと、マレーシアは約2500万人で世界第7位でした。1997年には700万人足らずでしたから、この15年間で4倍近くに増えた計算になります。
観光立国を宣言し環境を整え中東諸国からの観光客の誘致に力を入れたことが、功を奏したのだと思います。
日本を訪れた観光客は昨年、約860万人で世界第30位でした。内訳は、アジアが合計で約650万人、そのうち中国・韓国・台湾の合計が約510万人に及びます。
イスラム圏のマレーシア、インドネシアからは20万人を切っています。世論調査によるとマレーシアやインドネシアでは70%の人が日本が好きだと答えています。しかし、ハラル環境がないため訪日することができないのです。
ハラルとは、イスラム教徒の教えに則った「合法的、許されたもの」という意味です。
「ハラル環境」とは、イスラム教徒が食事のできる店があることや、お祈りをする場所が、十分に整っているかです。
日本がこうしたハラル環境を作れば、自国をハラルのハブ(中核)にする政策を掲げるマレーシアだけでなく、インドネシアや中東などの裕福な観光客を呼び込むことができるでしょう。
もっとも、多くの日本人の認識は、イスラム教では豚由来の食べ物やアルコールが禁止されているという程度ですが、実際にはさらに細かく定められています。
厳格なハラル環境でなくても大丈夫
私は、日本では日本なりのやり方、つまり「ローカルハラル」でいいと思います。なぜなら厳密にやろうとすると、飲食店にアルコールも置けなくなってしまいます。
日本の飲食店の多くは、アルコールにより利益を多く得ています。イスラム教徒の従業員を1人置いて対応させるような、ローカルハラルを適用すればいいと思います。
焼肉やしゃぶしゃぶなども、あらかじめ準備したハラル牛肉を使い、他と混じらないようにすることで、イスラム教徒が食事を取れるだけでなく、日本人と一緒に日本の文化の1つである日本食を楽しむことができるようになると考えます。
私が初めて来日したのは1990年、19歳のときでした。群馬大学でコンピューター工学を専攻しました。マレーシアからは私を含めて4人の留学生が、大志を抱き、素晴らしい環境で学べることを誇らしく感じていました。
当時、イスラム教徒の先輩はマレーシア人2人と、インドネシア人1人だけでした。先輩は、東京からはるかに離れたかの地で、ハラル食品を購入することの困難さを語ってくれました。
それを聞きがっかりしたことを覚えています。なぜなら、私にとって日本食、日本のメニューは、とても魅力的だったからです。
日本食を食べたくても食べられない
現在、マレーシアとインドネシアのイスラム教徒は日本に数多く滞在しています。日本のメニューの豊富さに、彼らは高い興味を持っています。
至る所に、人々が好んで入る、牛丼店、しゃぶしゃぶ店、ステーキハウス、焼肉店があり、楽しい時間を過ごしています。素晴らしい文化だと思います。
しかしながら、イスラム教徒である人々はハラルでない日本の食事を楽しむことができず、結果自国のメニューに執着しなければなりません。
ハラル環境として、食事のほかに必要なことは、お祈りのスペースです。それは、人が座って地面に頭をつけられる広さですので、だいたい1人用で1メートル四方です。
観光地に1カ所ずつあればいいと思います。東南アジアや中東の多くの人は雪を見たことがありません。スキー場や北海道、また、子供から大人まで人気のあるディズニーランドにお祈りのスペースがあると喜ばれると思います。
ハラル環境を整えることは、決してイスラム教徒のためだけではないと考えます。中東の富裕層を日本に呼び込むことができれば、現在の国際観光動向第30位から大きく飛躍するに違いありません。
観光ビザの緩和も必要
ハラル環境のほかに日本が観光立国となるのに必要なことは、観光ビザの緩和です。
外務省は、2010年7月から行ってきた1年間の施行期間の運用状況を踏まえ、2011年9月1日に「中国人個人観光ビザ」について、さらなる緩和を実施しました。
冒頭に述べた中国からの来日者数が、韓国の約240万人に次ぎ、140万人であることが、如実にそれを示しています。マレーシアや他のイスラム諸国にも観光ビザの緩和を適用してもらえると、イスラムの富裕層を取り込めると考えます。
ハラル環境と観光ビザの緩和、この2点をクリアすることにより、日本は素晴らしい観光立国となるに違いありません。
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/35139
2012.05.09(水)アクマル アブ ハッサン
マハティール首相(当時)はルックイースト(東方政策)を唱え、日本に学べと言いましたが、いまや日本がマレーシアから学んでもいいのではないかと考えます。例えば、日本が力を入れ始めた海外からの観光客の受け入れはその1つではないでしょうか。
マレーシアを訪れた観光客は15年間で4倍近く増えた
昨年の世界の国際観光の動向を見ますと、マレーシアは約2500万人で世界第7位でした。1997年には700万人足らずでしたから、この15年間で4倍近くに増えた計算になります。
観光立国を宣言し環境を整え中東諸国からの観光客の誘致に力を入れたことが、功を奏したのだと思います。
日本を訪れた観光客は昨年、約860万人で世界第30位でした。内訳は、アジアが合計で約650万人、そのうち中国・韓国・台湾の合計が約510万人に及びます。
イスラム圏のマレーシア、インドネシアからは20万人を切っています。世論調査によるとマレーシアやインドネシアでは70%の人が日本が好きだと答えています。しかし、ハラル環境がないため訪日することができないのです。
ハラルとは、イスラム教徒の教えに則った「合法的、許されたもの」という意味です。
「ハラル環境」とは、イスラム教徒が食事のできる店があることや、お祈りをする場所が、十分に整っているかです。
日本がこうしたハラル環境を作れば、自国をハラルのハブ(中核)にする政策を掲げるマレーシアだけでなく、インドネシアや中東などの裕福な観光客を呼び込むことができるでしょう。
もっとも、多くの日本人の認識は、イスラム教では豚由来の食べ物やアルコールが禁止されているという程度ですが、実際にはさらに細かく定められています。
厳格なハラル環境でなくても大丈夫
私は、日本では日本なりのやり方、つまり「ローカルハラル」でいいと思います。なぜなら厳密にやろうとすると、飲食店にアルコールも置けなくなってしまいます。
日本の飲食店の多くは、アルコールにより利益を多く得ています。イスラム教徒の従業員を1人置いて対応させるような、ローカルハラルを適用すればいいと思います。
焼肉やしゃぶしゃぶなども、あらかじめ準備したハラル牛肉を使い、他と混じらないようにすることで、イスラム教徒が食事を取れるだけでなく、日本人と一緒に日本の文化の1つである日本食を楽しむことができるようになると考えます。
私が初めて来日したのは1990年、19歳のときでした。群馬大学でコンピューター工学を専攻しました。マレーシアからは私を含めて4人の留学生が、大志を抱き、素晴らしい環境で学べることを誇らしく感じていました。
当時、イスラム教徒の先輩はマレーシア人2人と、インドネシア人1人だけでした。先輩は、東京からはるかに離れたかの地で、ハラル食品を購入することの困難さを語ってくれました。
それを聞きがっかりしたことを覚えています。なぜなら、私にとって日本食、日本のメニューは、とても魅力的だったからです。
日本食を食べたくても食べられない
現在、マレーシアとインドネシアのイスラム教徒は日本に数多く滞在しています。日本のメニューの豊富さに、彼らは高い興味を持っています。
至る所に、人々が好んで入る、牛丼店、しゃぶしゃぶ店、ステーキハウス、焼肉店があり、楽しい時間を過ごしています。素晴らしい文化だと思います。
しかしながら、イスラム教徒である人々はハラルでない日本の食事を楽しむことができず、結果自国のメニューに執着しなければなりません。
ハラル環境として、食事のほかに必要なことは、お祈りのスペースです。それは、人が座って地面に頭をつけられる広さですので、だいたい1人用で1メートル四方です。
観光地に1カ所ずつあればいいと思います。東南アジアや中東の多くの人は雪を見たことがありません。スキー場や北海道、また、子供から大人まで人気のあるディズニーランドにお祈りのスペースがあると喜ばれると思います。
ハラル環境を整えることは、決してイスラム教徒のためだけではないと考えます。中東の富裕層を日本に呼び込むことができれば、現在の国際観光動向第30位から大きく飛躍するに違いありません。
観光ビザの緩和も必要
ハラル環境のほかに日本が観光立国となるのに必要なことは、観光ビザの緩和です。
外務省は、2010年7月から行ってきた1年間の施行期間の運用状況を踏まえ、2011年9月1日に「中国人個人観光ビザ」について、さらなる緩和を実施しました。
冒頭に述べた中国からの来日者数が、韓国の約240万人に次ぎ、140万人であることが、如実にそれを示しています。マレーシアや他のイスラム諸国にも観光ビザの緩和を適用してもらえると、イスラムの富裕層を取り込めると考えます。
ハラル環境と観光ビザの緩和、この2点をクリアすることにより、日本は素晴らしい観光立国となるに違いありません。
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