2013年3月11日月曜日

■【コラム】 中国女性が憧れる「日本のファッション」と商機を逃した日本企業


【コラム】 中国女性が憧れる「日本のファッション」と商機を逃した日本企業
2013/03/01(金) 10:18


「ブランディング」に成功した中国発日系スタイル 「現地化」に失敗した日本発日本スタイル(前編)

 中国のお洒落な女性には「日本スタイル」が好きな人は確かに多いです。しかし、現在中国の女性に受け入れられている「日本スタイル」は中国のメディア、モデル、芸能人、そして微博(中国版ツイッター)から発信される「中国発の日本スタイル」であり「日本から発信されている純日本スタイル」の価値は低くなりつつあります。

中国のファッションリーダーが憧れる「日本スタイル」

 私は2004年から現在まで毎年多くの日系ファッション誌のモデルオーディションの審査員を務めてきました。その「中国で流行のファッションをいち早く取り入れる最先端の女の子たち」である参加者達の話を聞くことで、毎年中国の女性の「日本感」を知る事が出来ます。

 参加者のヘア、服装、メイクの変化(進化?)を実感。毎年、質問を通し彼女たちが何に価値を見出し、誰に対し、何に対して憧れや親近感を抱くのか、そして彼女たちから見た日本のファッション、文化はどう映っているのか。そんな事を聞き、感じ取る事が出来る、非常に楽しい時間です。

 そして毎回改めて自分達が中国で、どのような形で発信をしていくべきかの大きなヒントを多くもらえます。

 2004年、2005年当時のオーディションの頃から参加者の多くの子達へ一通りの共通の質問をしています。

朝倉:「日本のファッション誌は好きですか?」

参加者:「日本のファッション誌、モデルは大好きです」

 と答えます。

朝倉:「どんな雑誌を読みますか?モデルでは誰が好きですか?」

 と聞くとCANCAM,SCAWAII, 藤井リナ、梨花、エビちゃん、その他様々な雑誌、日本のファッションモデルの名前があがります。続けて彼女たちはこう答えます。

参加者:「でも、私たちは中国語版をあまり読みません。それは中国のページはダサいからです。最新の日本のファッションをたくさん知りたい。人気モデルのーディネートを生活スタイルをもっとたくさん見たい。なので、ネットで日本の雑誌がスキャンされたものが閲覧できるサイトを見ています」

 その『ダサい』と名指しされているのは、今自分が参加しているオーディションを開催しているファッション誌なのですが、この辺が非常に中国の女の子らしい気もします(笑)

日本のファッションは高嶺の花だった 商機逃した日本企業

朝倉:「では、どのようなファッションブランドが好きですか?どこで服を買ったりしますか?」

参加者:「日本のファッションブランドが大好きです。MOUSSY,SLY CECIL MCBEE など109系ブランド。でも中国では買えません。なのでタオバオ(中国最大手のインターネットショッピングサイト)で藤井リナちゃんが着た服と同じように作った中国の服を買います」

 彼女たちは口をそろえてこう答えました。この当時は雑誌上で見ることの出来る服を正規ルートで買うことの出来る方法はほぼ皆無で

1・自分で日本まで買いに行く

2.個人で取り扱っているセレクトショップで買う。

3・偽物、流れ物をネット、市場などで買う。

 という方法しかありませんでした。

 実際に雑誌が出ると、そこに掲載されている写真と全く同じようなものが安価なニセモノが作られ雑誌での掲載写真と共に市場やネットで売られているものをいたる所で見かけました。

 また、私自身も中国で手に入る服が少ないのでヘアだけでなく、スタイリストもして欲しいと依頼される事が多く、雑誌、芸能人、モデルやイベント、ドラマなど様々な服のスタイリングのお手伝いをし、その当時は日本で服を大量に購入するという事も頼まれたりしていました。

 つまりこの当時「日本のファッション雑誌、モデル、ファッションブランド」は中国の女の子たちの憧れであり、しかし手の届かないもの」であったのです。彼女たちはその身近にないものに憧れを抱き、少しでも多くの情報を日本から手に入れるためにネットを始め、様々な手段を使い情報をそして商品を手に入れようとしていました。

 しかし、日本側各企業はそれを商機と感じなかったのか、タイミングを見誤ったのか、なかなか中国側への積極的な展開を行ってはきませんでした。それでもしばらくの間は彼女たちが「その国際的に非常に閉鎖的な情報を見つけ出す行為」も「お洒落」である為の一つの条件だったわけです。

 しかし、急速にお洒落な中国の女性の裾野が広がった中国で彼女たちの憧れの対象は、情報源は徐々に大きな変化を迎えていきました。



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