【コラム】 中国女性は「中国から発信される日本」に憧れを持つ時代に
2013/03/11(月) 10:13
モデル審査員として感じた「日本スタイル」に対する変化
時代は大きな移り変わりを迎えます。中国日系誌は読者に「中国側のコンテンツから発信される日本スタイル」に価値を感じてもらえるよう様々な努力を積み重ね、その中で人気モデルが次々と生まれ、中国の日系誌の部数が爆発的な勢いで増えていきました。
現在では人気中国ファッション誌のオーディションには数万人単位の応募があり、特番が組まれ、大きなスポンサーがつき、豪華客船を使ったり、タイ、韓国など外国の地で最終決戦を行ったりしています。
優勝者は即そのブランドのイメージモデルとなるシンデレラストーリーが用意されています。中国コンテンツ、モデルから発信された情報やスタイルが中国人女性達にとって価値のある情報となり、それがやがて彼女たちにとっての「日系スタイル」となるわけです。
そんな中、日本では「中国でファッション誌が売れ、そこに出ているので、日本で宣伝しておけば中国の人も自然に知ってくれる」と「日本のモデルも皆見てるから好きだろうし、そこから皆が憧れを抱いてくれるだろう」という考えを捨てきれず何年もの間ほとんどのブランドが大きな動きを見せることはありませんでした。
そして2012年。去年も同じように日系ファッション誌のモデル審査員として、招待を受け、例年と同じような質問をします。
朝倉:「モデルさんは誰が好きですか?自分にとってのファッションリーダー、参考にする人物は誰ですか?」
という質問に5%くらいの人が日本のファッションモデルの名前を挙げましたが、その子達も含め参加者の皆が人気中国人モデルの名前を挙げます。
朝倉:「どのような雑誌、メディアを参考にしていますか」
という質問もほぼ全員が日系ファッション誌の名前を答えますが、2004年時のようにわざわざ日本のネットやスキャンしたページを見ますというような参加者は皆無でした。
朝倉:「どのようなファッションブランドが好きですか」
という質問に対しての変化はこうです。「日本のファッションブランドが好き」なのは変わりありません。しかし、中国で買えるブランド、日系ファッション誌の中国人モデルが着ているファッションブランドの名前を挙げるのです。今まで名前が挙がっていたブランドも中国に進出していないブランドの名前は答えからなくなってしまっていました。
更に彼女たちの口から出てくるのは「日系ブランドが好きです、ZARAやH&Mなど・・」と日本ではないファストファッションのブランドの名を言うのです。つまり本当に日本のブランドであるかどうかは関係なく、中国の日系ファッションの流れに沿っているブランドが彼女たちにとっての「日本スタイル」となるのです。
今の中国の一般的なファッションに興味がある女性にとって、遠い日本から発信されるものが「日本スタイル」ではなく、自分達の身近で発信されるリアルな流行が日式、日本スタイルなのです。
「日本スタイル」の価値は変わらずとも「発信者」が変わったことを理解すべき
つまり、時代はまだまだ「日本スタイル」に対しての価値、憧れを抱いてはくれている。しかし、現在ではそのターゲットへと伝える、知ってもらうアプローチの方法がまったく変わってきてしまっている。
2004年のように「盲目的に憧れを抱き、日本から発信しなくても探し当ててくれる」そんな時代は終わってしまいました。現在は「世界中から様々な情報が届く中で自分達が、必要だと思う価値に感じる情報を選択する」時代となったのです。
つまり、誰が発信することにより中国人女性がその情報を「価値」だと感じてくれるのか見極めること。このことを理解したうえで、中国内でのブランディングに取り組んでいかなければならないということです。
0 件のコメント:
コメントを投稿