【コラム】 『中国13億人の市場』は嘘 本当は『4億人の市場』
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2013&d=0308&f=column_0308_012.shtml
2013/03/08(金) 10:28
中国を市場として見たときによく「13億人の市場」と言われますが、果たして本当にそうでしょうか?
以前、中国湖南省出身の友人が日本を訪れた時の感想が印象に残っています。「日本の農村の暮らしは都会と変わらない」 彼は、自分の故郷である農村部の貧しさと比較してそう言ったのだと思います。
車も家族で2台、3台持っていて、大きな庭付きの家に住み、村の隅々まで道路は舗装され、コンビニまである。中国人の目から見たら、日本の農村の裕福な暮らしぶりには驚き意外の何ものでもないでしょう。それほど、中国の農村部の暮らしは貧しいのです。
昭和30年代(1950年代)日本ではテレビがようやく普及し始め、車もちらほら走り始めました。道路はまだ舗装されておらず、砂埃を立てながら車が走っていました。中国の農村はまだこんな状態なのです。都市部の驚異的な発展からは想像が出来ないくらい農村は取り残されてきました。
今、中国には車の買える人はどれくらいいるでしょうか?
つまり、車の市場規模はどれくらいなのかを各種の統計データから推測してみます。まず、中国では65才以上の人は、学歴や職歴もほとんど無く、若いときから車は運転していないのて除外します。65才以上は2億人いますから、13億人-2億人=11億人 となります。
次に農村部に暮らす人(農民戸籍)を除きます。都市部に近い農村部の年間世帯収入が70万円程度、一番低い甘粛省の農民世帯収入はわずか18万円程度です。これではとても車を買うことは出来ません。農民戸籍の人は65才以上を除くと7億人いますから、都市部に戸籍を持つ人は11億人-7億人=4億人 となります。
中国を耐久消費財や住宅の消費地として見る場合大まかに4億人の市場としてみるのが正しい見方です。でも車が買える対象を4億人と見るのは正しくありません。都市部に戸籍を持つ人でも所得にかなりの格差があるためです。例えば、上海に住む世帯の平均所得は年間180万円(2011年)です。平均所得から見ると、年間所得よりも高い車を買うことは相当の借金をする覚悟がいります。
2011年の中国全土の自動車の保有台数は約1億台です。仮に人口13億人の市場として普及率を計算してみましょう。人口100人当りの普及台数は8台です。この数字はまだ、日本100人当りの普及台数の60台、米国の80台には遠く及びません。もし中国の自動車普及率が米国並みになれば保有台数は今の10倍、8億台になる計算です。
現在、世界の総保有台数は約10億台あると言われていますから、中国には、なんと一国で世界市場に迫る潜在需要があることになってしまいます。ところが、先ほどの農村部の状況からすると、近い将来農村部の人が車を買うことが出来るとはとても考えられません。
改革開放政策によって都市部は順調に経済は成長してきたが、農村部の貧しいたたずまい、入り組んだ細い生活道路などを見ても、およそ車を所有する環境とはほど遠い状態にあり、都市部の発展からは完全に切り離されて来たのです。
今後、10年ぐらいのスパンで考えたとき、都市部に戸籍を持つ4億人を市場規模と見るのが正しいのです。都市部の4億人を市場と見て計算すると、中国の自動車普及率は人口100人当り25台となります。ちなみに北京市の自動車保有台数は464万台、人口は約2000万人なので、普及率は23.2台となり、ほぼつじつまが合います。
市場を4億人規模で見ると米国並みの普及率になったとしても、保有台数は3億台にしかなりません。日本並みとすると2.4億台ですから、今後驚異的な伸びがずっと続くとは考えられません。中間層所得の伸びのペースにもよりますが、おそらく数年の内に販売台数の伸び率は低くなるのではないかと予想されます。仮に販売数を年間2000万台とするとあと5年で保有台数が2億台に達してしまいます。
日本やアメリカと違い、マーケティング戦略において、中国の市場規模を見るときは農村部と都市部、そして65才以上の高齢者をはっきりと分けて考えるべきです。格差の大きさもさることながら、65才以上の人口だけでも日本の人口の2倍に達する国なのだということを認識すべきです。
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