2011年10月18日火曜日

■「パンダを仙台に」誘致 観光客回復へ期待


「パンダを仙台に」誘致 観光客回復へ期待
http://mytown.asahi.com/miyagi/news.php?k_id=04000001110180001
2011年10月18日

 仙台市の奥山恵美子市長が17日、ジャイアントパンダの「誘致案」を明らかにした。パンダで被災者を勇気づけ、被災地復興にもつなげる考えで、観光関係者は歓迎する。被災者は「明るいニュース」と評価する一方、「まずは生活再建を」との声もあがる。

 「被災地の子どもたちを元気づけたい」。17日に記者会見した奥山市長はパンダ誘致への思いを語った。
 「東北で初のパンダ。県外の観光客も期待できる」。仙台観光コンベンション協会の担当者は話す。年約2千万人だった仙台市への観光客は震災で半減する見通しで、パンダの集客力に期待する。

 阪神大震災で被災した神戸市では、震災5年後の2000年、市立王子動物園にパンダが来ると、年間入園者は倍増の約200万人になった。今年4月から約3年ぶりにパンダを公開した東京・上野動物園でも、9月までの入園者は前年同期より約110万人多い約260万人になっている。

 被災者の受け止めは複雑だ。津波で自宅が流され、仮設住宅に暮らす仙台市若林区の男性(68)は「子どもや孫のためにもうれしいニュース」と話す。一方、住宅の集団移転を求められ、移転にかかる費用を心配している宮城野区の男性(67)は「パンダを借りるのにかかる高い費用を、私たちの復興費に回して欲しい」と語る。

 奥山市長は、新獣舎の建設費や飼育費は市負担とする一方、「お金を出してのレンタルは被災地にとって難しい」と無償貸与に期待感を示している。

 だが、実現は難しそうだ。日中国交正常化でパンダが初めて日本に来た1972年は無償だったが、80年代以後は原則として有償になった。王子動物園でも年100万ドル(現在約7700万円)を払っており、同動物園の担当者は「被災地でも無償貸与は難しいのでは」と語る。

 17日、南三陸町を訪れた程永華(チョン・ヨン・ホワ)・駐日中国大使は「できれば実現できるよう努力したい」と語る一方、パンダの貸与には条約や規制など課題も多くあることに触れて「どういう対応ができるか総合的に検討する」とも述べた。



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