出入境とホテルがネック:観光客の満足度低下、理工大調査[観光]
http://news.nna.jp/free/news/20111025hkd002A.html
香港 2011年10月25日(火曜日)
香港を訪れる旅行客が増える一方で、その満足度はむしろ下がっていることが、香港理工大学酒店及旅遊業管理学院の調査で分かった。項目別の満足度では「小売店」と「飲食店」が上向く一方で、「出入境管理」と「ホテル」は低下。出入境審査場での長い行列や、観光シーズンでのホテルの値上げが嫌気されているようだ。
調査は毎年実施しているもので、7つの評価項目について、100点を満点に出している。調査対象は日本をはじめ7カ国・地域から訪れた旅行客で、今年は2.352人に対し実施した。
全体の評価は前年比1.33ポイント減の72.61点にダウン。項目別では「交通」の満足度が77.81点となり、昨年に引き続き一番高い評価を得た。これに「観光地」が77.81点で続いた。
項目別で昨年最も評価が低かった「飲食店」は67.39点で再び最低となったものの、改善がみられた。また飲食店同様、昨年の調査では70点を下回った「小売店」も上向いた。
一方で「出入境管理」と「ホテル」への評価はいずれも昨年より落ち、70ポイントを下回った。
香港旅行業議会(TIC)の胡兆英(マイケル・ウー)会長は「出入境管理」について「空港や税関などで長い行列ができてしまっており、一部の旅行客が不満を覚えている」と指摘。「ホテル」については「繁忙期には需給バランスの問題から宿泊料が一気に50%近く値上がりすることもある。一部の客は高過ぎるとみているのだろう」と述べた。
国・地域別の評価では米州が最も満足度が高く78.04点。
これに◆オーストラリア・ニュージーランド・太平洋諸国(77.93点)◆欧州・アフリカ・中東(74.12点)◆中国本土(73.65店)◆南アジア(71.09点)◆台湾・マカオ(68.25点)◆日本・韓国(64.43点)――という順番で続いた。
マカオ、深センについても同様の調査が行われている。結果はマカオが3.6ポイント減の68.5点、深センが1.6ポイント減の65.1点だった。
香港の観光人気は中国本土からの観光客の増加などもあって年々高まっている。香港観光発展局(HKTB)によると、8月の来港旅客数は前年同月比17.7%増の406万5,761人で、統計史上初めて400万人の大台を突破した。
また世界最大級の旅行口コミサイト「トリップアドバイザー」の「全世界人気の観光都市トップ25」では、全体で10位、アジアで1位に選ばれている。今後も観光客は増えるとみられるだけに、手頃なホテルを増やしたり、入国審査の処理能力を高めることが香港の課題となりそうだ。<香港>
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