2011年10月19日水曜日

■大阪オフィスに「2013年問題」 過剰供給懸念


大阪オフィスに「2013年問題」 過剰供給懸念
http://sankei.jp.msn.com/economy/news/111018/fnc11101814190013-n1.htm
2011.10.18 14:18

 JR大阪駅北側に平成25年春、完成する「グランフロント大阪」。国内最後の一等地、と称される大規模再開発事業により、地域経済の活性化に期待の声が高い。一方で、大阪市内で大規模オフィスビルの完成が相次ぎ、過剰供給に陥る「2013年問題」を懸念する声もあがっている。

 グランフロント大阪に建設中のビルの総床面積約55万6700平方メートルのうち、4割強となる約23万6800平方メートルを占めるのがオフィスだ。景気低迷などにより、大阪市中心部ではオフィスビルの空室率は約11~12%と高い水準が続いている。にもかかわらず大阪市中心部では、大規模なオフィスビルの建設が相次いでおり、過剰供給によるオフィスビルの経営悪化などへの懸念が高まっている。

 グランフロント大阪の開発事業者でもある三菱地所大阪支店の林総一郎支店長は「オフィスの過剰供給を指摘する声は確かにある」と認めた。その上で、最近のオフィス需要について、東日本大震災以降の電力需給の悪化で、「関西の電力状況の見通しが立たないことが不安材料になっている」(林支店長)とも指摘した。

 こうした状況を受け、耐震性の高い新築物件にオフィスを移転する動きがでている。また、外資系企業などを中心に、これまで東京に集中してきた拠点を、分散する動きもあるという。 今年5月に開業したJR大阪駅の「ノースゲートビルディング」のオフィスは、立地の良さなどから開業前にすべて契約で埋まった。グランフロントのオフィス群も、JR大阪駅に近接する立地の良さから、比較的早期に埋まる可能性が高い。

 ただ、新築のオフィス物件が相次いだ大阪市北区では、既存のオフィスビルが賃料の値下げを余儀なくされるケースや、入居者の移転により空室が生じた物件もあり、事業者らはより厳しい競争環境にさらされる。グランフロント大阪の完成により、キタと呼ばれる梅田にオフィス物件が集中する“北高南低”が一気に加速する可能性もある。


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