中国も学ぶべし 日本の綿密な対東南アジア戦略
http://japanese.china.org.cn/jp/txt/2012-05/08/content_25332432.htm
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2012年5月8日
ビジネスチャンスが見込める地域に世界から企業が集まるのは世の常である。日本企業に「20年後の成長市場はどこか?」と問えば、恐らく「VIP(ベトナム、インドネシア、フィリピン)およびその他の東アジア諸国」と答えることだろう。
これは世界経済の成長見通しにおいて日本政府が下した戦略的判断でもある。日本政府および日本企業は「現在成長著しいBRICs(ブラジル、ロシア、インド、中国)は、高度成長期を経た後、すぐに欧米や日本と同じく成熟期に入ってしまう。その時期になると、富裕層が拡大中の東南アジア諸国の市場は、今のBRICsのような活気に満ちるはずである」との考えを有している。
BRICsの中でインドの識字率は低く63%に過ぎない。これはインドが産業化を進める中で大きなネックとなっている。だが、VIP諸国の識字率は高い。また、中国などの国では高齢化社会問題が浮上しつつあるが、VIP諸国の平均年齢は低く、2050年までの人口増加率は20~30%とされている。インドネシアの現在の人口は2億3千万人で、1億2千万人の人口を抱える日本をすでに上回っている。2050年には、ベトナム、フィリピンの人口も日本の人口を上回ると予測されている。識字率が高く、安い人件費による恩恵を長期的に享受することができる、こうした要素は日本の企業にとって非常に魅力的に映るようだ。
また、島国である日本はこれらの国々と陸続きになっておらず、領土問題の係争も存在しない。加えて、VIP諸国は比較的親日派が多く(第二次世界大戦時に日本の侵略を受けたが、日本の戦後賠償・補償や多額のODA供与により、軋轢は収まっている)、日本企業にとって比較的容易に進出しやすい市場だと言える。
今後、富裕層が拡大していく東南アジア諸国には市場の潜在力がみなぎっている。経済産業省の「通商白書」2011年版には、アジア諸国の「中間層(年間可処分所得5千~1万ドル)および富裕層(1万ドル以上)について述べられている。日本が注視するのは、近い将来、富裕層へと上がって来る12億1千万人ものアジアの中間層である。2020年には富裕層は3億5千万人以上に拡大すると見込まれ、しかも中間層も23億1千万人を維持できると言われている。特に、欧米諸国およびBRICsの市場が成熟期に入った後は、東南アジアが世界の市場成長を牽引するはずである。
東南アジア諸国においても、日本の資金や技術を積極的に取り入れ、高度成長を遂げようとする姿勢が見られる。例えば、原子力発電所の建設を計画しているベトナムでは、日本の原子力関連の技術を積極的に採り入れている。また、首都ハノイとホーチミン間の約2,000キロメートルを結ぶ「南北高速鉄道」には、日本の新幹線方式が採用されている。インフラ整備分野において、東南アジア諸国は「ポスト中国」として世界最大の市場となるだろう。
日本の主要紙は、日本の環太平洋経済連携協定(TPP)への参加を呼びかけ、対中包囲網戦略の重要性を説いている。またTPP参加国の多くは東南アジアにある。日本が「遠交近攻(遠国と結び、隣国を攻める)」外交戦略を図っている可能性は残るものの、経済市場における東南アジアの潜在力を我々も認識すべきである。日本が東南アジア戦略を綿密に進め、将来の同地域における優位性を謀るのは、その望ましい経済成長の展望を見据えているからにほかならない。
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