2012年5月8日火曜日

■【コラム】 中国調達:そんな筈じゃなかった、技術泥棒…と嘆く前にすべきことはなかったのか


【コラム】 中国調達:そんな筈じゃなかった、技術泥棒…と嘆く前にすべきことはなかったのか
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2012&d=0508&f=column_0508_010.shtml
2012/05/08(火) 10:55
   
誰も知らない中国調達の現実(201)

 中国企業と合併会社を設立して5年、懇切丁寧に技術を教えた。彼らも真剣にそれを学んだ。やっと生産が軌道に乗り、いざ、これからという時に、要となる技術者がひとり、ふたりと退職しはじめる。彼らは自ら会社を設立したり、酷い場合は、合併相手の系列企業に再就職したりといった有様。これに類似した話をしばしば聞く。最後は、合併・提携解消で終わり、「これだから中国は信用できない」といった怒りと失望だけが深く残る。

 確かに日本の感覚では、酷い話なのかもしれない。しかし、それで愚痴っていたら世界で闘っていけない。世界で勝ち抜いていくためは、もっとしたたかでなくてはならない。そもそも、5年の間、日本企業は何をしてきたのだろうか、そして、これから何をしようとしていたのだろうか?

 日本企業と中国企業の合併や提携では、日本側が技術を、中国側が工場運営や中国国内販売を受け持つケースが多い。技術を担当した日本企業は、エンジニアを派遣し、既述のように技術移転のために指導を重ね、中国側のエンジニアも真剣に学ぶ。それでは、日本側は教えるばかりで何も学ばないのか?そもそも学ぶものなど何もないのだろうか?

 問題は、ここである。中国企業に学ぶところなどないと考えるのは、まったくの思い上がりだ。確かに技術面での学びは少ないかもしれないが、工場は技術だけでは運営できない。同様に、企業はものをつくるだけでは経営できない、販売が必要だ。中国企業が受け持ったからといって、彼らに任せっきりで、中国の工場運営や中国国内販売のノウハウを貪欲に学ぶ姿勢はなかったのかと言いたい。中国側は、日本のエンジニアがいなくとも困らないだけの技術を吸収した。それならば、日本側も中国企業がなくとも困らない、つまり独資で工場運営や企業経営できるノウハウを学ぶべきだったのである。

 筆者は中国人の友人から、「企業の合併や提携が永遠に続くことなどありえません。お互いに学びあい、いずれは袂を分かちコンペティターとして競争する、これが中国流です」と言われたことを思い出した。

 さらにもう一つ、辛辣なことをあえて書きたい。それでは、日本企業は技術移転が完了した後、工場運営も中国国内販売も中国企業に任せ、何も汗を掻くことなく合併企業の果実を貪ろうと考えていたのだろうか。それはあまりにも虫が良すぎないかと言いたいし、それでは中国側に逃げられてしまう。

 では、どうすべきだったのか。日本企業の持っているほんとうの技術は、そう簡単には供与できないはずだ。なぜなら、日本の技術の素晴しさは、自ら進化し続けることにあるからだ。5年かけて中国のエンジニアが身につけた技術は、5年前の技術だ。その5年の間に日本の技術はさらに進化している。つまり、中国の企業やエンジニアを逃げ出させないためには、常に新しい技術を創生して、合併・提携の継続やエンジニアの就業継続のインセンティブを絶やさないことだ。世界は、立ち止まっている存在に魅力を感じてくれない、日々改善、成長、創生する動的な存在でなくてはならない。



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