2011年12月6日火曜日

■関空統合に向け設立委初会合、トップは民間起用か


関空統合に向け設立委初会合、トップは民間起用か
http://www.travelvision.jp/news/detail.php?id=51431
2011年12月5日(月)

 国土交通省は12月5日、関西国際空港(関空)と大阪国際空港(伊丹)を一体的に運営する新会社の設立に向け、「新関西国際空港株式会社設立委員会」の初会合を開催した。これは、国100%の出資で新関西空港株式会社(新関空会社)を設立し、関空と伊丹を一体的に運営することで、関空の国際拠点機能の強化と、両空港の有効的な活用による関西圏の航空輸送需要の拡大、関西経済の活性化をはかるもの。2012年4月に新関空会社を立ち上げ、2012年7月に両空港を統合する計画だ。

 初会合では委員長として交通政策審議会航空分科会分科会長の家田仁氏を選出。両空港の現状や経営統合の概要などを説明した後、委員による意見交換を実施した。大阪府知事の松井一郎氏は、関空を国際的拠点空港として育てていくことが重要とし、将来的には伊丹は役割を終えるのではとの考えを述べた。一方、兵庫県知事の井戸敏三氏は関空、伊丹、神戸の3空港を活用する必要性を説いた。関空についてはアジアの成長を関西に取り込むためには重要とし、LCC誘致のため着陸料の引き下げを検討すべきとの考えを示した。

 このほか、新関空会社の役員人事については、井戸氏が民間の自由な発想で空港を運営していくのが必要と述べ、他の参加者からも経営トップに民間企業からの起用を求めるべきとの声があがった。

 今後は第三者委員会を立ち上げて役員候補を選出し、閣議了解を得た後、12年3月末に開催予定の創立総会で役員を選任し、国土交通大臣の認可を受ける予定。また、同時に資本金や株式発行条件、新会社の役員数など定款の審議も進める。設立委員会を2回開催して審議した後、創立総会で諸事項を決定し、4月に新関空会社を設立する計画だ。




■関空新会社設立委 5日に初会合
http://www.sankeibiz.jp/business/news/111130/bsg1111302206011-n1.htm
2011.11.30 22:05

 国土交通省は30日、関西国際空港と大阪(伊丹)空港を一体運営する新関空会社の発足に向けた、設立委員会の初会合を12月5日に開催すると発表した。

 設立委は、国交省など関係省庁の事務次官や関係自治体の首長、財界首脳らで構成。関西経済連合会の森詳介会長(関西電力会長)、大阪商工会議所の佐藤茂雄会長(京阪電気鉄道相談役)など、関西財界トップも委員に加わった。

 同委員会は平成24年3月中旬までに3回開き、経営陣や定款案を決め、来年7月の経営統合を目指す。

 新会社は国が100%出資するが、トップをめぐっては、民間出身者を望む声が関西財界から上がっている。国交省の岡西康博大臣官房参事官(近畿圏・中部圏空港担当)は「民間の経営判断にゆだねる方向性を維持したい」としている。

     ◇

 国土交通省は30日、関空・伊丹の統合に向けた経営統合準備協議会の第2回会合を大阪市内で開いた。会合では伊丹の業務について、警備・消防や環境対策などは新会社に引き継ぎ、航空管制は国が継続して担当するよう切り分ける計画が国交省側から示された。
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■関空・伊丹統合は視界不良 新会社、来春設立も課題山積
http://www.sankeibiz.jp/business/news/111110/bsg1111100503007-n1.htm
2011.11.10 05:00

 関西国際空港と伊丹空港の経営統合を担う新運営会社が設立される来年4月1日まで、あと半年を切った。国内初となる空港統合に注目が集まる中、統合のそもそもの要因である1兆円超の有利子負債の返済をはじめ課題が山積し、激化するアジア空港間の競争を生き残るのは容易ではない。収益改善に危機感を持つ関西経済同友会は今月、焦点となる新会社の経営陣の人選について、国が100%出資でも「民間出身のプロの経営者を起用しなければだめだ」とする提言を打ち出したが、空港周辺自治体や霞が関の思惑も絡み視界は不良だ。

 伊丹との統合を前に、関空会社では今、需要が高まる格安航空会社(LCC)の誘致や貨物便強化など、収益体質の改善に向けた動きが加速している。

 2011年度冬期(10月30日~来年3月24日)は、中国南方航空、タイ国際航空、大韓航空が便数を増やしたほか、マレーシアに本拠を置くLCCのエアアジアXも新規就航。1週間当たりの国際線は1994年の開港以来、夏冬通じて最高の792便(ピーク時)となる。

 今月中旬には、福島伸一社長が自ら訪韓し、LCCのチェジュ航空やエアプサンを訪ね、増便や新規就航を願い出る。関空を拠点とする日本初のLCC「ピーチ・アビエーション」も来年3~5月に福岡と新千歳、韓国・仁川に就航する予定。

 東日本大震災の影響に歴史的な円高で、4~9月期に前年同期比35%減の123万7610人と落ち込んだ国際線の外国人旅客数を取り戻す狙いだ。


負債1兆円超・「伊丹の扱い」など逆風

 ただ、こうした収益力の強化策にも巨額の有利子負債が影を落とす。

 関空会社は11年3月期に73億円の最終黒字を達成したものの、有利子負債はいまだに1兆円を超す。重荷を抱える関空はアジアの主要空港よりも着陸料が数倍高く、航空会社の誘致で不利な戦いを強いられている。旅客便に占めるLCCの割合は約8%にすぎず、旅客数の約2割をLCCが占めるシンガポール・チャンギ空港との差は歴然で、経営統合をしても、状況は簡単には変わらない。

 騒音問題に配慮して大阪湾の泉州沖約5キロの海上に造成された関空は、埋め立て費用で巨額の負債を抱えた。このため、毎年200億円程度の利子の返済に追われ、年75億~90億円程度の国の補給金なしでは立ちいかないのが現状だ。

 そんな「火の車」の状況から脱却するための解決策が、黒字経営が続く伊丹との経営統合。空港を運営する新関空会社を国の全額出資で来年4月1日に設立し、3カ月後に経営統合を実現するというものだ。

 新関空会社は滑走路などの資産と約4000億円の有利子負債を引き継ぐ。土地と残りの有利子負債などは、子会社となる土地保有会社が管理し、新関空会社から土地代を受け取り、負債を減らす。2015年度までに空港の運営権を民間に売却し、債務を一掃する-というシナリオを国は描く。だが、事がうまく運ぶとはかぎらない。

 新会社は、新たな経営方針について周辺自治体、経済界関係者との協議会で話し合いを進めるが、すでに伊丹の扱いをめぐって議論が紛糾する可能性が懸念されている。

 伊丹の周辺自治体などが統合後も活用を促進し、収益改善につなげていく案を主張するのに対し、大阪府や関空周辺の自治体は伊丹の機能縮小を狙っているためだ。

 関西経済同友会は、収益確保のため伊丹のターミナルビル事業も統合対象に加えることも求めているが、その実現性も不透明だ。

 関西経済界では、統合後の新関空を上昇気流に乗せられる民間経営者を待望する声が強まっている。だが火中のクリを拾い、逆風をくぐり抜ける操縦術を発揮できる「機長」は現れるのか、展望は見えていない。



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