【コラム】 政治の中心「北京」で感じた日中関係と中国ビジネスの根本
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2013&d=0110&f=column_0110_017.shtml
2013/01/10(木) 09:55
「日本人お断り」の看板と中国国旗が未だ残る北京
広い中国において、上海出張が圧倒的に多い私ごときが、日中関係を語るのはいかがなものかと思いますが、中国政権交代の覇権争いにも利用された尖閣諸島問題は、上海では早い段階から過去のものになっています。そもそも、反日問題は誰が何のために利用しているか、その分析さえできれば、少なくとも中期的には、中国撤退などと言った愚行はあり得ないはずです。
今回は久々に北京に長居していますが、少し驚いたのは、王府井で回転火鍋なるお店を見つけたので興味を持って入ってみると、その看板には、「釣魚島は中国のもの、日本人入るべからず!」と書いた看板がありました。それでも入店し、回転する火鍋がどんなものかは一見してきましたが、お腹もすいていませんし、アイドルタイムで誰1人客がいなかったこともあってすぐに出てきました。
実際に北京のあちこちにある日本料理屋には、中国の国旗をかざしている店が多く、政治の中心、北京の面子とやらを痛感することになりました。もちろん、夜中に乗ったタクシーの運転手と中国語で直接話してみると、釣魚島問題など、老百姓(一般人)には別に関係ないとの意見も多く、「アメリカの戦略である」と言う私の持論にも「対(そうだ)」と答えてくれました。
商いの上海と比べて強く感じる、”北京の面子”
中国人は面子を重んじるとよく言われますが、日本人でも面子はあるわけで、別にどこの国に限ったことではないと思います。が、日本人から見て、中国人のほうが面子を意識すると感じるのは、建前と現実の使いわけがはっきり存在していることにあると思います。ビジネス最優先の上海人からすれば、喉元過ぎればで、儲かるならば別に日本とのビジネスも大いに歓迎ですし、政治の話は切り分けて接してくる相手先も多いのでは?
ただ、北京で顕著なように、本音とは別に、建前上は、政府の顔色を伺うわけではなくとも、口が裂けても釣魚島は日本の領土だなどと言うことはありません。北京で知り合った中国人の中でも、湖南省から来た若くて優秀な中国語講師と話す分には、日中関係の真相について、それなりに意見を交えることもできますが、北京在住の政府関係の女性には、その話題に触れることさえ拒否されました。中国、特に北京の面子を感じた瞬間です。
「清濁併せ飲む」度量が必要な中国ビジネスと政府の役割
いずれにしても、本来、アメリカの日中分断作戦の一環である尖閣諸島問題を、戦後のどさくさに紛れて不法占拠を続ける韓国の竹島問題と一緒にすることが間違っています。
嫌な言い方をすれば、韓国経済と縁が切れても日本に損失はありませんが、中国の市場から退場させられないようにすることは、少なくともこの5年の日本経済にとっては、高度な「二枚下外交」を講じてでも守らなければならない牙城であり、日本の新政権においても、一概に鷹派なポーズだけで、対中国、対韓国問題をごっちゃにするのは幼稚な政治です。日本がいなくなって一番喜ぶのはアメリカ企業であり、韓国企業です。
繰り返しになりますが、G2G(政府TO政府)が中国ビジネスの、いや、グローバルビジネスの基本なわけですから、日本の政府は強かなネゴシエーターであり、臨機応変な営業マンでなければなりません。その中で、面子さえ立つならば、清濁併せ飲む矛盾も抱えながら事を進めていく。これは政治に限らず、中国の相手先との関係作りにとって重要な要素です。
面子の北京、商いの上海と言った単純な仕分けはどうかとも思いますが、国家としての中国の立場、面子を鑑みながら、主張すべきは主張し、振りかざす必要のない刀は収めることも時には必用です。
今回の北京では、日本の長い年末年始を利用して、語学力のブラッシュアップにも力を入れていますが、少なくとも中国にいるなら、彼らの母国で、日本の立場、自分の考えを説明しきれるようになりたいとあらためて思いました。
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