2011年10月7日金曜日

■観光庁、来年度予算は8%増の110億円要求


観光庁、来年度予算は8%増の110億円要求
http://www.kankoukeizai-shinbun.co.jp/backnumber/11/10_08/kanko_gyosei.html
観光行政 2011年10月8日(土) 

 観光庁は9月30日、2012年度予算の概算要求をまとめ、財務省に提出した。東日本大震災の復旧・復興枠と合わせた要求額は109億9100万円で今年度当初予算に比べて8%の増加となった。震災で落ち込む訪日外国人旅行者の回復に向けては、世界から1万人を日本に招待してクチコミで情報を発信してもらう「フライ・トゥ・ジャパン(Fly to Japan)」事業を打ち出した。東北地方の広域連携を促す観光復興事業も盛り込んだ。

 12年度の概算要求は、政策的経費を今年度当初予算比で1割削減することが要件で厳しい編成となった。ただ、成長分野や地域活性化分野に充てる重点化枠は、削減額の1.5倍を上限に要求できる措置がとられた。

 観光庁の概算要求は、通常枠と重点化枠を合わせた要求額が今年度当初予算比5%増の106億5700万円。このほかに別枠として要求できる震災の復旧・復興枠で3億3400万円を計上。

 インバウンド関係の予算にあたる「訪日外国人3千万人プログラム」の要求額は2%増の88億900万円。内訳は、訪日旅行促進(ビジット・ジャパン)事業が16%減の50億8800万円、重点化枠を活用したフライ・トゥ・ジャパン事業に11億8600万円、日中国交正常化40周年記念青少年招請事業に1億円など。

 フライ・トゥ・ジャパン事業は、世界からの震災復興への支援に感謝を伝え、震災で傷ついた訪日観光のイメージ回復を促す。希望者を募集し1万人に往復航空券を提供する。ブログを開設するなどクチコミの発信力が高い応募者を重点的に招待。「自国民の発信する情報への信頼度が高いことから、クチコミで早期に需要を回復させる」(国際交流推進課)。

 ビジット・ジャパン事業の予算は、海外プロモーションの費用に加え、MICE(国際会議など)の開催、誘致の推進費を含んでいる。MICE関係予算は事業仕分けで今年度予算への計上が見送られたが、今年度は仕分けで指摘された費用対効果に配慮しつつ、ビジット・ジャパン事業の予算の一部を割り当てて推進費とした。来年度も同様にMICE誘致の競争力強化を後押しする考え。

 来年の日中国交正常化40周年を記念した青少年招請事業は、中国から青少年200人を日本に招待する。東日本大震災にあたって中国政府が被災地の中学生100人を海南島に招待したことから、半分の100人は海南島から招く。

 東北の観光復興に向けては、復旧・復興枠を利用して対策事業として2億5千万円を要求した。東北地方の広域連携を後押しし、東北を1つの「観光博覧会」のように見立て、国内外への統一的な情報発信や受け入れメニューの強化を支援する。編成中の今年度3次補正予算にも関係予算を要求し、来年1月からの事業スタートを目指している。

 観光地域づくりプラットフォーム(PF)支援事業でも、岩手、宮城、福島3県の観光復興に配慮する。3県に対してはPFに相当する事業体が実施する事業だけでなく、観光圏協議会が実施する事業も補助金の交付対象にする。新規観光圏の申請も認め、事業計画の策定作業費に補助金を出す。

 また、東北地方に関しては、今年度、全国を対象に実施したビジット・ジャパン地方連携事業の国と地方の負担割合の要件緩和を継続させる。風評の払しょくを目的に海外のメディアや旅行会社を招請する事業は引き続き全額国費でまかなうことにする。

 このほかの新規事業では、国内旅行活性化のための環境整備事業費として1億5千万円を計上した。積極的に休暇を取得してもらい旅行の促進などにつなげようと、観光庁や内閣府などが提唱している「ポジティブ・オフ」運動の啓発活動に充てる。



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