2012年2月29日水曜日

■中国物価高なんのその、止まらない中国の消費ブーム公務員向けの厚い年金を原資に、しばらく続く構造的要因


中国物価高なんのその、止まらない中国の消費ブーム公務員向けの厚い年金を原資に、しばらく続く構造的要因
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/34632
2012.02.29(水)JB Press 

BRICsの中でもひときわ人口の多い中国とインド。世界からの注目度は同じように高いものの、こと消費に関しては圧倒的に中国の方がこの世の春を謳歌しているように見える。

 中国では消費が旺盛なニュースが目立つのに、インドでは消費絡みのニュースはそれほどお目にかかれない。この差はいったいどこから来るのだろうか。中国とインドでは情報を発信する日本人の数が圧倒的に異なるということもあるかもしれない。


年収以上の高い買い物ができる理由
米アップルの「iPhone 4S」などスマートフォンの最新機種は中国で大人気

 しかし、中国に居を構えながら最近はしばしばインド各地に足を運んでいる筆者の目には、社会環境の差が両国の消費格差を生んでいるように見える。

 インドを訪れるたびに、できるだけ現地の普通の消費者層の人々と交流するようにしているのだが、中国人に比べインド人は総じて財布の紐が固い。中国とインドの個々の消費の底力の違いをひしひしと感じさせられている。

 世界の工場から世界の消費基地へ。「中国が成長したから次はインドだ」と短絡的に考えるのは危険ではないだろうか。

 日本人が市場チェックのために新興国に行くとまず「月収にも相当するほど高価なスマートフォンやノートパソコンをなぜ皆が持っているのだろう」と驚かされる。

 新興国では地元の平均的な人が平均的な暮らしをしようとも、日用品が100円ショップの商品より高くてクオリティが低い商品ばかりの中で、1人の給料ではまともに生活することもできない。

 夫婦共働きどころか、2世代、3世代の家族が一体となって生計を共にすることで、もともとすべての商品が高い中にあって、給料の数倍の支払いも厭わないのである。

 モノがあふれ欲しい商品がなくなった今の日本人にとっては想像しにくいが、戦後しばらくは日本人も同じだったはずだ。その当時を知らない30代半ばの筆者でも、サザエさんのような漫画を見てそれが分かる。家族みんなで欲しいモノを一つひとつ買い揃えていくのである。

 さて、中国が飛び抜けて消費がすごいのは国の経済規模の拡大だけが理由ではない。

 平均給料の伸び以上に上がっている食料品などの物価は、現地に滞在していてもはっきりと感じるほど消費者にとって目の前に突きつけられた大きな問題である。しかし、だからと言って中国の消費が減速することはない。

 日進月歩で良く安くなっている家電やデジタル製品などではオンラインショッピングが発展してきていることも相まって相対的にお得感が増していることもあり、中国人は積極的に最先端の商品に手を伸ばす。

 さらに中国人特有の面子もそこに輪をかけている。例えばパソコンの場合、どうせ家の中で使うのだから価格の安いデスクトップを買えばいいのに、あえてノートパソコンを買おうとする。また、スマートフォンやタブレット、さらにMacBookを買う人も多い。


家族の力を結集して高額商品を購入
中国の空港。海外旅行を楽しむ人が急速に増えている

 こうした中国の消費を支えているのが、ほかの国ではあまり見られない家族の力だ。

 現在消費の中心となる80後と呼ばれる1980年代生まれ、ないしその前後の1970年代生まれの「70後」、1990年代生まれの「90後」の親は働き盛りの頃、公務員ないしは「単位」という職場に属する公務員だった。

 彼らは地域によって多少の違いはあるものの年間所得の70~90%を毎年年金として政府から受け取ることができる。

 この辺については「すでに日本の上を行く中国の年金システム 年寄りほど厚く、若者は働けど働けどもらえない・・・」を参照。

 100平方メートルを超す広さの3LDK、4LDKの集合住宅に住む生活に困らない大家族は、公務員を任期満了した両親の年金収入に加え、男女共働きが当然の習慣の下、働き盛りの下の世代が共働きすることにより、平均所得の4倍以上もの所得を家庭単位で得ているのである。

 加えて公務員は安く家が購入できるため、何度かマイホームが特別価格で買えるタイミングを見計らっては、1軒目、ないしそれ以上の家を格安で購入している。

 家の劣化は早いが地価はうなぎ上りであるため、売買目的でなくとも、買った10年後、20年後に家を引き払い手にした大金でより広い家を購入する。お金に執着しない人を含め、不動産売却により現金が増え貯金する人が多数いる。

 かたや世界でもう一方の成長株と言われているインドを見ると、国民の多くが年金を手厚く保護する公務員というわけではなく、また男女共働きも中国ほど定着してはいない。

 ニューリッチのためのニュータウンも大都市周辺にできてはいるが、中国と比べれば売買が自由にできるわけでもない。

 筆者が訪ねたインド人家庭の中には、インド全体から見ればかなりリッチな部類に入る都市のホワイトカラーの男性が、両親が住んだ家を引き継いで住み、男性1人の収入で妻と年金収入のない両親を支えるというケースをよく見た。


年金の厚い元公務員が中国の消費を牽引
中国で高級ブランド品の購買意欲は落ちることはない

 ただ何でもインドより中国の方が、お金が貯まりやすい環境があるかというとそうでもなく、例えばインドでは中国よりも海外への出稼ぎが普通である。

 中国と同様に共産主義国家であるベトナムでも現地で話を聞くと中国に似た社会保障システムはあり、退職した元公務員への年金額は、多くの人が月100~200ドルをもらっていると聞く。

 不動産バブルは一部であるものの中国ほどではなく、やはり中国同様男女共働きが基本で大家族で財布を共有するために、世帯で見るとそこそこの収入がある。

 さて、もちろん中国国内の中高年に(準)公務員が多いとはいえ、すべての人が(準)公務員として働いたわけではなく、手厚い年金をもらえていない人も一方で多数いる。

 そういう人たちは自分自身にプラスして退職した両親2人を養わなければならない。このため、中国人同士が結婚する際には相手の両親が年金所得があるか否かも大事なポイントとなっている。
 もし親に年金収入がなければ夫婦共働きで最大4人の親を養わなければならなくなる。

 どちらも高すぎず低すぎない所得、似たような年齢の2人の知人女性が最近結婚した。1人は年金収入のある家庭へ、もう1人は年金収入のない家庭へ嫁いだ。

 かたや世界でもう一方の成長株と言われているインドを見ると、国民の多くが年金を手厚く保護する公務員というわけではなく、また男女共働きも中国ほど定着してはいない。

 ニューリッチのためのニュータウンも大都市周辺にできてはいるが、中国と比べれば売買が自由にできるわけでもない。

 筆者が訪ねたインド人家庭の中には、インド全体から見ればかなりリッチな部類に入る都市のホワイトカラーの男性が、両親が住んだ家を引き継いで住み、男性1人の収入で妻と年金収入のない両親を支えるというケースをよく見た。


年金の厚い元公務員が中国の消費を牽引
中国で高級ブランド品の購買意欲は落ちることはない

 ただ何でもインドより中国の方が、お金が貯まりやすい環境があるかというとそうでもなく、例えばインドでは中国よりも海外への出稼ぎが普通である。

 中国と同様に共産主義国家であるベトナムでも現地で話を聞くと中国に似た社会保障システムはあり、退職した元公務員への年金額は、多くの人が月100~200ドルをもらっていると聞く。

 不動産バブルは一部であるものの中国ほどではなく、やはり中国同様男女共働きが基本で大家族で財布を共有するために、世帯で見るとそこそこの収入がある。

 さて、もちろん中国国内の中高年に(準)公務員が多いとはいえ、すべての人が(準)公務員として働いたわけではなく、手厚い年金をもらえていない人も一方で多数いる。

 そういう人たちは自分自身にプラスして退職した両親2人を養わなければならない。このため、中国人同士が結婚する際には相手の両親が年金所得があるか否かも大事なポイントとなっている。

 もし親に年金収入がなければ夫婦共働きで最大4人の親を養わなければならなくなる。

 どちらも高すぎず低すぎない所得、似たような年齢の2人の知人女性が最近結婚した。1人は年金収入のある家庭へ、もう1人は年金収入のない家庭へ嫁いだ。



0 件のコメント:

コメントを投稿