2012年2月20日月曜日

■韓国 冷え込む消費、自動車・百貨店販売不振


韓国 冷え込む消費、自動車・百貨店販売不振
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2012/02/17/2012021700899.html
2012/02/17 10:30

 16日午後3時ごろ、ソウル市の南大門市場で子供服を売る店の経営者(54・女性)は、客が1万2000ウォン(約830円)の服を1万ウォン(約700円)に値切って買っていくと、あきらめたようにため息をついた。その日初めての客だった。女性は最近、毎日の来客数をノートに記録していた。そこには「15日4人、14日9人、13日6人、12日8人…」と書かれていた。女性は「あまりに客が来ないので、退屈でメモしてみた。昨年12月からクレジットカードによる取引は2件しかない」と語った。

 成人服売り場のキム・ジュソンさん(62)は「1月は旧正月の書き入れ時だったにもかかわらず、昨年12月に比べ30%以上売り上げが減った。夜に従業員を雇うと、200万ウォン(約13万9000円)の月給を払わなければならず、到底商売にならないため、夕方6時には店を閉める」と話した。一番混み合うはずの午後でも、南大門市場で接客中の店は10カ所に1カ所もなかった。

 南大門市場で12年商売をしているというかばん・靴店のイ・ジンギュさん(36)は「今年は仕入れにやって来る小売商もずいぶん減った。高級品も中国製の安物も売れず、景気が死んだことを実感している」と話した。

 今年に入り、韓国の内需が揺らいでいる。従来型の市場での不景気は今に始まったことではないが、市場の店舗経営者が体感する景気は深刻なレベルだ。これまで高い伸びで内需を支えてきた自動車、百貨店、アウトドアなどの販売も落ち込んでいる。

 世界的な金融危機が収まった2010年から売り上げが伸びていた百貨店も今年に入り、減収に転じた。知識経済部(省に相当)が16日に発表した百貨店大手3社の1月の売上高は、前年同月比で4.1%減少した。昨年は11月(0.5%減)を除き、売り上げが減ったことはない。1月は女性用フォーマル衣料(16.5%減)、女性用カジュアル衣料(8.1%減)、男性用衣料(5.2%減)など景気に敏感な品目が特に不振だった。

1店舗当たりの売上高が年間1兆ウォン(約700億円)を初めて超え、急速な成長を続けてきたロッテ百貨店の本店でも、1月の売上高は前年同月を2.4%下回った。減少は10年3月(1.2%減)以来となる。同店幹部は「在庫が過去最高レベルに達している。冬物の在庫処分にブランドまで参加している」と話した。

 現代・起亜自、韓国GM、ルノーサムスン、双竜など自動車メーカー5社の1月の韓国国内での販売台数は9万6448台で、昨年12月(12万9497台)に比べ25.5%、昨年同月(12万577台)に比べ20.0%も減少した。現代自は昨年6-7月に22%も販売が伸びたが、今年1月は18.5%も減少し、業界首位ですら販売不振にあえいでいる。ただし、軽乗用車の1月の販売台数は1万3781台で、前年同月比5.1%増えた。業界関係者は「消費者が購入費用を切り詰めていることを示している」と分析した。

 過去2-3年にわたり、爆発的な売り上げの伸びを示してきたアウトドア用品も、百貨店で大規模な割引セールの対象になっている。

 昨年ダウンパーカーなどが品薄となったため、アウトドア用品メーカーは今年、生産量を増やしたが、売り上げがほぼ横ばいにとどまったため、在庫が膨らんだ。あるアウトドア用品メーカー幹部は「販売量は減っていないが、生産を増やしたため、在庫が積み上がっており、収益性が大きく低下しそうだ」と懸念した。

 今年に入り、輸出も不振だ。1月に対欧州連合(EU)輸出は前年同月比で45%近く落ち込み、品目別では船舶(41.5%減)、無線通信機器(39.7%減)、半導体(8.5%減)など主力輸出品目が軒並み不振だった。

 LG経済研究院のシン・ミンヨン首席研究員は「昨年第4四半期の所得の伸びが0.4%にとどまり、賃金上昇率もかなり低かったため、消費心理の冷え込みが懸念される。内需不振で経済が悪循環に陥り、高所得層までもが消費を減らす兆しを見せることがさらに心配だ」と指摘した。



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