2012年2月27日月曜日

■香港の強烈な大気汚染 中国本土上回る死亡率


香港の強烈な大気汚染 中国本土上回る死亡率
China Real Time Report
http://jp.wsj.com/World/China/node_398287?mod=MostPopularBlock
2012年 2月 24日  14:34 JST

 印象的なスカイラインと世界第一級のインフラに加え、中国本土の巨大経済を間近にし、香港は長期にわたりアジアの魅力的な選択肢となってきた。しかし、分かりやすい難点も存在する。香港の大気汚染による住民の死亡率は本土よりも高い。

 地元のロビー団体、健康空気行動(CAN)の最新リポートによると、香港では大気汚染が原因とみられる死亡が10万人のうち43人と、その死亡率は世界で8番目に高い。こうした数字に基づくと、香港の大気汚染は、中国本土と比較して20%超ひどいことになる。

  香港大学による先月の調査によると、年間で3200人の死亡の原因が大気汚染であることが判明した。ひどい大気汚染に短期間さらされただけでも、心不全や不整脈、発作を引き起こす可能性がある。

 昨年のギャラップ調査によると、香港住民の70%は大気の質について高いレベルの不満を抱いている。この割合は世界で最も高く、2番目はチャドの59%。CANの2010年の調査で、スモッグでかすむ空を理由に香港の住民の4人に1人は香港を離れることを考えていることが明らかになった。一方、企業サービス会社Regusが調査した企業経営者の4分の3は、大気汚染のために、香港に優秀な人材をひきつけ、とどめることに悪影響が出ていると主張した。

 シンクタンクのシビック・エクスチェンジの環境戦略部門責任者、マイク・キルバーン氏は、「恥ずかしいことだ」とし、「香港は中国で最も豊かな都市だ」と続けた。

 中国の珠江デルタ付近の工場から漂う有害な大気の混合物が長期にわたって指摘されているが、CANのジョアン・オイ最高経営責任者(CEO)は公衆衛生という観点から、香港の通りの渋滞が真の問題だと語る。同氏は、「交通公害が公衆衛生にとって最大の問題だ」と言及し、ディーゼルエンジンを備えた数千台の大型トラックからの排気ガスで住民は常に咳をしている状況だと指摘した。

 CANは先月、中国の公式統計を引用し、香港は沿道の大気汚染の重要な指標となる二酸化窒素レベルでは、中国の32の大都市のうち下から2番目だと指摘した。

 香港の当局は、この問題の解決に尽力していると表明している。香港環境局のカールソン・チャン副局長は、バスやタクシーの所有者に助成金を提供し、よりクリーンな技術への改修を促している、と言及した。07年以降、同様の取り組みに7億香港ドル(約72億円)以上がつぎ込まれているという。
 香港大学が算出した指数によると、今年1-2月だけでも大気汚染により香港が被った医療費および損なわれた生産性は4億6200万香港ドルに達する。

 環境問題専門家によると、香港の大気環境対策は1987年以降、更新されていないが、当局は先月、新たな基準を提案している。ただ、立法議会を通過するまでのプロセスを勘案すれば、こうした改善基準が適用されるのは早くても14年になるとみられる。一方、活動家たちは、香港の大気汚染規制により、環境当局は立法議会を通すことなく目標の設定が可能だと主張している。



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