2012年2月2日木曜日

■中国のギフト市場9.7兆円規模…「高雅な賄賂」は今も健在(3)


中国のギフト市場9.7兆円規模…「高雅な賄賂」は今も健在(3)
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2012&d=0202&f=national_0202_145.shtml
2012/02/02(木) 14:56

 中国の「ギフト文化」には“悠久の歴史”がある。本来は、上下の秩序を含めた「人間関係の確認」という社会的機能があった。まさしく「礼節」の一部だった。しかし実際には「利益のギブ・アンド・テーク」の色彩が濃厚だ。つまり、「ギフト文化」はさまざまな腐敗の“温床”でもある。中国の「贈答品市場」は、8000億元(約9兆6840億日本円)規模と推定されている。中国新聞社が報じた。

 「ギフト文化」の中でも、特に“悠久の歴史を誇る”のは書画骨董など美術品の分野だ。中国で、社会の支配階級に属する人々にとって「高い文化と教養」は絶対に欠かせない条件だった。自分が理解する美術品を、その価値を理解できる人に譲ることは、「高尚な行為」だった。しかし結局、「賄賂の手法」である場合がほとんどになった。漢代にはすでに、美術品の贈答を「雅賄」と呼んでいた。

 美術品の贈答は、現在も盛んだ。高額なだけでに、あきらかに「贈収賄」絡みのケースが多い。しかも、共産党中央の「官員は書画骨董の贈答品を受け取ってはならない」という規則をすり抜ける、さまざまな方法が存在する。極めて巧みなマネーロンダリングの機能を果たす場合もある。

 記事は、マネーロンダリングの「古典的」な手法を紹介した。清朝末期に政商として活躍した胡雪巌が、事業のために英国などの銀行から融資を受けようと思ったが、政府の許可が必要だった。そこで決裁権を持つ高官が所有するある程度の価値がある美術品に眼をつけ、人を介して実際の価値以上の法外な高額で譲り受けたいと申し出た。高官は「美術品を所望する真意」を悟り、「美術品の価値が分かり、愛する心に免じて」理解を示し、多額の現金を受け取り、美術品を手放したという。

 現在の中国では、さらに奇怪な現象も発生している。美術商のひとりによると、政府主導のプロジェクトの請け負いを狙った企業が、古い陶器の偽物を作った。それをオークションにかけ、用意した“サクラ”が値を吊り上げることで、80万元(約968万日本円)以上にして、自らが落札した。

 その「陶器」に、オークション会社が添付した落札価格などを記入した証明書とともに、「80万元以上の品」として高官に贈ったという。中国における古美術品のオークションでは、同様の理由による意味不明の高額落札が「案外多い」という。

 暴力犯罪組織と結託して収賄などを繰り返し、強姦罪でも有罪となり2010年7月に刑が執行された重慶市司法局元局長の文強死刑囚は、所持していた中国絵画の1点が364万元相当と発表されて、注目を集めた。

 しかし後になり、中国政府・国家文物局は「ほとんど価値がない平凡な偽物」との鑑定結果を発表した。



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