2012年2月20日月曜日
■ユニクロが中国で人気!? 中国のファッション&ブランドレポート
ユニクロが中国で人気!? 中国のファッション&ブランドレポート
http://trendy.nikkeibp.co.jp/article/column/20120215/1039704/?ref=sedue
2012年02月17日連載:山谷剛史の中国トレンド通信
上向きの中国経済を語る上で、しばしば紹介されるのが人々のファッションだ。向上するファッションセンス、あふれる高級ブランドで中国のイケイケぶりをアピールするのは定番だが、案外そうでない面もある。最近発表されたアパレル関連のレポートも併せて紹介しよう。
リアルとネットを両立する中国アパレル販売
昨年末の時点で、中国におけるネット利用者は5億1300万人、ネットショッピングの利用者も1億9400万人となった(CNNIC調べ)。インターネットやデジタルデバイスがマニアックなものからカジュアルなものへと変わり、この数年でネットショッピングで最も売れる商品は、デジタルグッズからアパレル、バッグなどへと変わっていった。
外資・地場ブランドを扱うアパレルショップは、繁華街に露店を出したり、百貨店やショッピングセンターの中にテナントを構えてたりしており、住宅地や学生街には個人経営のアパレルショップが点々とある。デジタルグッズを扱う家電量販店や電脳街は、消費者がネットショッピングに移行したため、すでに閑古鳥が鳴いているが、繁華街のアパレルショップの客入りは、それほど減ってはいない。
都市の中心に位置する歩行者天国では地場アパレルショップの露店が並ぶ 家電量販店や電脳街とアパレルショップの違いは何かと言えば、アパレルにはバーゲンがあり、定価の半額以下、ネットショップ以下の価格が提示されることもしばしば。そのため、家電量販店のようにショールーム化せずに済んでいるのだろう。
ショッピングセンターのバーゲンセールには多くの人が集まる 今年は1月末に中国最大の商戦期でもある「春節」を迎えた。新しい服で新年を迎えるという風習も相まって、今年も多くの人々が街に繰り出し、各アパレルショップもバーゲンを打ち出し、今年も比較的ににぎやかになった。天津発のニュースによると、天津で取材した消費者の半数が2000元(約2万4000円)を服に消費したという。このニュースについてネットの反応は「若い人はそんな金なんてない」「ありうる話」など賛否両論となっている。
繁華街では買い物袋を抱えた人もしばしばみかける
「1つ買ったらもう1つプレゼント」をアピールする地場アパレルブランド. 一方で、総合ショッピングサイトの「淘宝網(TAOBAO)」や「天猫(Tmall、1月に淘宝商城より改名)」に出店するアパレル系ショップや、アパレルに特化したサイト「凡客誠品(VANCL)」なども黙ってはいない。各ショッピングサイトもリアルショップに負けじと春節大バーゲンを打ち出した。
「淘宝商城」改め「天猫」。アパレルショップではユニクロのネット旗艦店が人気
凡客誠品。経営的に苦しいというニュースを聞くが、アパレルが気になる消費者的には人気のサイト. 昨年末に調査会社iResearchが発表したレポートによれば、2011年における中国ショッピングサイト市場(販売金額の合計)は前年比67.5%増の7720億元(約9兆2600億円)であり、2049万元(約)がアパレル関連の売上だったという。この割合は計算するとショッピングサイト市場全体の26.5%(約2兆4600億円)にあたり、最も売れる商品ジャンルになるだろうと予想されている。
ユニクロ好きはごく一部? 広い中国ならではの理由とは
ところで、上海をビジュアルで引き合いに出して中国経済のすごさを語るコンテンツはゴマンとある。上海の繁華街で日本人も感心するほどの着こなしをしている人は確かに多く見かけるのだが、内陸部の地方都市だけでなく、沿岸部の省都クラスの都市や、上海の郊外、衛星都市には、それほどオシャレな人は多くはない。中国内陸の都市を拠点にする筆者としては、多数派の庶民的ファッショントレンドを紹介していきたい。
もちろん省都クラスならそれなりのブランドのショップもあるが、ファストファッションより上を着こなす人を見ることは全土的には少ない 大都会ほどさまざまなブランドのアパレルブランドがショップを展開している。筆者の感覚としては上海中心部、北京中心部、中国全土の主要都市の中心部、大都市の衛星都市やその他の都市、農村部の順にブランドが充実している。ブランドショップが最も充実している上海には世界的ブランドが進出している一方で、主要都市中心部ではユニクロ、H&M、ZARAなどが最先端のブランドである。それらが登場すると地場ブランドの客がめっきり減る。また、大都市の衛星都市やその他の都市、農村部では、中国地場ブランドすら展開されていないといった具合だ。
ユニクロ。日本同様のネット連動PRがウケている
ZARAやH&Mもユニクロ同様、北京、上海クラスの都市には何店も. ファッションに敏感な若者を中心に、地場ブランドと大して値段の変わらないファストファッションへと好きな店が移っていく。世界的ファストファッションはインド産ベトナム産など、中国以外で作られたものも売られているが、中国地場のアパレルブランドは中国国内にしか工場を持たないからメイド・イン・チャイナばかり。人件費が上がる中でますます地場ブランドが不利になっていく気がしてならない。
地場ブランドは、大都市ではセンスがイマイチな上に価格的優位性がなくなってきた もちろん、ネットショッピングの普及により、たとえチベットに住んでいようが、上海でしか売られていないブランドの服を買うことはできる。とはいえ、さまざまなところに住む人々をウオッチするに、ネットショッピングが普及した今も、地方都市や農村部の人々が、外資ブランドのファストファッションに身を包むことはないようだ。
というのも、“おらが町”にアンテナショップ不在だし、ファッションブランドのトレンドが紹介されるわけでもなく、ファッション雑誌すら売られていないため、彼らの目にはユニクロが魅力的に映らないのである。田舎住みの中国人が都会に出るたび、わざわざ地場ブランドのアパレルショップに行っては「これがファッションだ」とばかりに買い込んで喜んでいるのだ。
地場アパレルブランドショップと外資アパレルブランドショップの客層を比べてみると、生活環境の違いが見て取れる. ところで、ファッションと言いながら、人の写真が少ない記事となったのだが、余力があればぜひとも見ていただきたいコンテンツがある。この記事ひとつでビジュアルで各地域のファッションを見せるにはページがいくらあっても足りない。そこはJETRO(日本貿易振興機構)の「~スタイル」と呼ばれる都市の消費をビジュアルメーンで紹介する無料記事を読んでいただきたい。「北京スタイル」「天津スタイル」「アモイスタイル」「深センスタイル」「香港スタイル」「広州スタイル」「成都スタイル」とある。都市によって、オシャレの基準が違うことが写真で分かるだろう。オススメである。
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